Lv31 魔の世界よりの使者
[4/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
見えてきた。もしかするとアレが、泉があるという建物なのかもしれない。
建物が見えたところで、ラティの声が聞こえてきた。
「コータロー、アレや。あの中が泉になっとるんや」
「明かりがついてるという事は……今、誰かが水浴びしてる可能性がありそうだな」
「かもな」
乙女の水浴び……燃える展開である。
今なら山吹色の波○疾走が出せそうな感じだ。
「で、どないする? このまま進むか?」
「いや、待て……ここからは慎重に行こう。とりあえず、近くで様子を探りたいから、どこかいい場所はないか?」
「ほんなら、あそこの岩陰なんてどうや」
ラティはそこで、建物からやや離れた所に位置するミニバンサイズの大きな岩へと視線を向けた。
建物と岩の距離は約50m。他に適当な場所がない事と、場所的にもまぁ悪くない位置だったので、俺はそこにする事にした。
「そうだな。あの岩の裏で様子を見よう」
「よっしゃ、ほな、行くで」
そして、俺達はその岩へ向かい、そそくさと移動を開始したのである。
岩の裏に回ったところで、俺達は息を潜めながら建物の様子をジッと窺った。
見たところ、建物の周囲には誰もいないようであった。話し声といったものも聞こえてこない。その為、シンとした静寂が辺りに漂っていた。
また、近くで見て分かった事だが、この建物には奥の方にだけ両開きの小さな窓が幾つかあり、そこから白い明かりが漏れていた。もしかすると、窓のある部分が泉なのかもしれない。ヒャッハー! 性帝様のお通りだァァ! 窓を開けろ〜! ってなもんである。
まぁそれはさておき、俺は少し気になった事があったので、それを訊ねる事にした。
「今のところ、何の気配も感じられないけど、いつもこんな感じなのか?」
「いや……いつもやと、もう少し神官の出入りがあるんやけど……変やな、もう沐浴の時間やと思うのに」
「てことは、王族が来てるから、色々とバタバタしてるのかもしれないな」
「せやな。コータローの言う通りかも……ン? 誰か来たで」
ラティはそこで、ピュレナ神殿の方へ続く石畳の道に視線を向けた。
俺もそこに目を向ける。
すると、レミーラと思わしき明かりを頼りに、こちらへと進む、数名の者達がいたのである。
ここからだと距離があるので、どんな者達かまではわからなかったが、人数はどうやら4名のようだ。もしかすると、沐浴をしにきた乙女達かもしれない。
俺は空条コータローになり、ボソリと呟いた。
「ようやく、来たか。やれやれだぜ……」
「へへ、コータロー、カッコつけてるとこ悪いけど、物ッ凄い顔がニヤけてるで」
「ほっとけ。そんな事より、御一行様はもうすぐ到着だぞ」
俺達がそんなやり取りをしている内に、一行はもう、建物のすぐ近くへとやってきていた。
「
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ