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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv31 魔の世界よりの使者
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択もある見たいやし、行けると思うで」
 俺はラティの視線の先を追う。
 すると、ラティの言う通りであった。
 断崖の壁は月明かりが当たらないのでわかりにくかったが、よく見ると、ひょっこりと飛び出た岩が幾つも見えるのである。
 どうやら、あれを飛び移って移動をするという事のようだ。
 ちなみにだが、それらの岩と岩の距離を言うと、短いので3mほど、長いので10mほどといったところだろうか。とりあえずそんな感じなので、俺のように魔導の手を使える奴なら、何とかなりそうであった。
 おまけに、月明かりが断崖の壁に当たらないという事も、よくよく考えると結構な好条件といえた。なぜなら、闇に紛れて移動ができるからである。
 つまり、これらを総合すると、行くのなら今でしょって事になるのだ。
「なるほどな、あのくらいなら俺でも行けるかもしれん」
「多分、大丈夫やろ。で、話を戻すけど、岩壁をある程度進むとやな、当然、神殿の敷地内に辿り着くわけやけど、入ってすぐの所に1つだけポツンと神殿が建っとるところがあんねん。その中が泉になっとるんや。目的地はそこやで」
 大まかな流れはわかったが、少し気になる点があった為、俺はそれを訊ねる事にした。
「ラティ、泉までの道順はわかったが、その前に訊いておきたい事がある」
「何やろ?」
「ここはイシュマリアでも、特別な巡礼地といわれる場所だ。となると、当然、神殿の警備というものも視野に入れなければならない。そこでだ。ラティに訊いておきたいのは、神殿の警備体制はどうなっているのかという事なんだよ。特に、その泉付近の情報を知りたい。どんな感じかわかるか?」
 ラティは空を見上げ、暫し考える仕草をする。
「う〜ん……ワイがいつも見ている時は、警備はしてへんかった気がするな」
「王族が来ている時はどうなんだ?」
「実はワイ、王族が来てるの見たん初めてなんや。せやから、ちょっとわからんなぁ……」
 予想外にも、ラティは王族が来ているこの状況は初めてのようだ。
 これは気を引き締めた方が良さそうである。
「そうか。なら、今日はかなり慎重にいったほうがいいぞ。何があるかわからんからな」
「確かに、コータローの言う通りやな……。今日は慎重にいっとこか」
「ああ、そのほうがいい。さて、それじゃあ、そろそろ行くか。あまり遅いとアーシャさん達に、何をしてたのか突っ込まれるからな」
「せやな」――


   [U]


 月明かりが満足に届かない薄暗い中、俺は魔導の手を頼りに、断崖の壁からひょっこりと出た岩を飛び移って移動する。
 で、ラティはと言うと、普通に空を飛んで移動しているところであった。羨ましい限りである。
 まぁそれはさておき、俺達がそうやって進んで行くと、程なくして、白い光が漏れる建造物が眼下に
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