Lv30 巡礼地ピュレナ(i)
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[T]
翌日の早朝、俺は夜が明ける前に目を覚ました。
夜明け前に起床できるかどうかが不安であったが、昨夜は早めに寝た事もあり、上手い具合に体内時計が働いたようだ。
まぁそれはさておき、俺はそこで室内を見回した。だがまだ夜が明けていない事もあり、室内は非常に薄暗かった。その為、俺はレミーラを使って明かりを灯し、ゆっくりと室内を見回したのである。
するとレイスさんとシェーラさんの寝ている姿が俺の視界に入ってきた。レミーラの明かりに全く反応しないところ見ると、どうやら2人の眠りはかなり深いようだ。日頃の疲れが溜まっているのだろう。
次に俺はアーシャさんとサナちゃんのベッドに視線を向けた。が、しかし……彼女達のベッドはもぬけの殻になっており、室内のどこを見回しても、姿が見当たらないのであった。
(あれ? 2人共、何処に行ったんだ……便所か?)
などと考えた、その時……。
「ン?」
左右の脇腹の辺りに、なにやら柔らかい物体があるのを俺は感じ取ったのである。
俺は(まさか……)と思い、そこでまず左側に目を向ける。
すると、思った通りであった。
アーシャさんがスースーと可愛い寝息を立てて、俺の左隣で寝ていたのである。
(はぁ……やっぱり、アーシャさんだったか……)
昨晩、マルディラント城で宿泊した時は大丈夫だったので安心していたが、この様子を見る限り、まだあのトラウマからは解放されていないのだろう。
この調子だとマルディラント城以外での宿泊は、ずっとこんな感じになりそうだ。嬉しいような、悲しいような、といったところである。
だがしかし……そうなると別の疑問が1つ浮かび上がってくる。
それは勿論、右側にあるこの感触は一体何なんだ? という事である。
俺は首を右に振り、その物体を確認した。
と、次の瞬間!
「エェ!?」
俺は目を見開き、思わず、驚きの声を上げてしまったのである。
なぜなら、そこにいたのはサナちゃんだったからだ。サナちゃんが俺の右腕にしがみ付くように腕を回し、スースーと寝息を立てていたのである。
「はへ……な、なな、なんでサナちゃんがここに!?」
と、そこで、アーシャさんの寝むたそうな声が聞こえてきた。
「ンンン……どうしたんですの……コータローさん、大きな声を出して……」
アーシャさんは瞼を擦りながら、ムクリと起き上がる。
だが、俺の隣で眠るサナちゃんを見た瞬間、目を擦る動きを止め、静かに固まったのであった。
室内にシーンとした静寂が訪れる。
程なくして、アーシャさんは俺に鋭い視線を投げつけ、怒りの籠った低い声色で言葉を発した。
「コータローさん……これはどういうことですの?」
「ええっと……これはですね……俺もどういう事なのか、は、はは
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