Lv30 巡礼地ピュレナ(i)
[7/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
に物々しいけど、ピュレナはいつもこんな感じなのか?」
「いや……あんなに厳重な警備はしてへんわ。でも、あれはこの神殿の者やないな。あのマントの中央に描かれた光と剣の紋章はイシュマリア王家の紋章やから、多分、王族の近衛騎士やと思うで」
俺はマントの紋章に目を凝らした。
<i6967|23211>
「近衛騎士……。てことは、今日は王族が来ているのか?」
「多分、そうやろ。ここは王族の者もよく来るさかいな」
「ふぅん、そうなのか」
王族がよく来るというのが、少々意外ではあった。が、このピュレナの言い伝えを考えると、イシュマリアの血を引く王族にとっては無視できない場所だし、普通の事なのかもしれない。
「ま、そういうこっちゃ。さて、それじゃあ目的地に着いた事やし、向こうにあるガテアの広場に行こっか。案内するわ」
ラティはそう言うと、女神像の前に幾つか建ち並ぶ建造物の1つへと視線を向けた。
「でも、馬の世話をしなきゃならんから、全員てわけにはいかんだろ。誰かがここに残らないと」
と、そこでレイスさんが声を上げた。
「馬と馬車は私が見ておこう」
「え、良いんですか?」
「ああ。それに一応、馬車にも屋根はある事だしな。私だけならどうとでもなる」
まぁ確かに馬車ならば、1人分の就寝スペースは確保できる。
ここはレイスさんの言葉に甘えさせてもらうとするか。
「じゃあすいませんが、レイスさん、馬の世話と見張りをよろしくお願いします」
「うむ。了解した」
その後、俺達4人は、ルーヴェラで購入した簡易寝具や道具等の荷物を馬車から降ろす。そして、各自がそれらの荷物を少しづつ持ち、俺達はガテアの広場へと向かい、移動を始めたのである。
[W]
コータロー達が、巡礼地ピュレナに到着する少し前の事。太陽が沈み始めた時間帯の話である。
丁度その頃、断崖に彫りこまれた女神像へと続く通路に、数名の者達の姿があった。
構成は次のとおりで、赤い神官服を纏う初老の男性神官が1名に、白い神官服を纏う若い女性神官が3名。紅白の生地で彩られた美しい衣をその身に纏い、額に金のサークレットを抱いた、艶やかな長く赤い髪が特徴の美しい少女が1名。そして、少女を護衛する赤いマントに身を包む若い女性騎士が1名に、白いマントを纏う若い女性騎士が3名の計9名の者達である。
この9名の者達が向かう先は、断崖の女神像の足元にある巨大な台座であった。
その台座には、美しい女神の姿が彫りこまれた大きな金色の扉が設けられており、訪れる者を静かに待ち受けているのである。
程なくして、巨大な台座の前へとやってきた一行は、扉の前で立ち止まる。そこで神官の1人が前に出て開錠し、金色の扉を左右に開いた。
扉が完全に開かれたところで、赤い神官
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ