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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv30 巡礼地ピュレナ(i)
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サナちゃんも俺と同じなのか、その光景を目の当たりにし、言葉少なであった。
「あれが巡礼地ピュレナや。結構、壮大な眺めやろ。特に、この夕日が射す時間帯の景色は、巡礼者達の間でも一番美しい眺めやって言われてるんやで」
「私は今までピュレナの事を色々と聞いた事はありましたが、まさか、これほど美しい所だとは思いませんでしたわ」
「私もです……」
「俺もだよ」
 そして、俺達は暫しの間、夕日に彩られた幻想的な巡礼地の姿を眺め続けたのである。


   [V]


 夜の(とばり)が下りる前に、巡礼地へと到着した俺達は、ラティの指示に従い、まずは湖畔の方へと移動する。それから適当な場所で馬車を停め、俺達はとりあえず馬車を降りたのである。
 馬車を降りた俺は、大きく背伸びをしながら周囲を見回した。
 すると、断崖に彫りこまれた女神像とその足元に広がる幾つかの神殿の他に、そこへ群がる沢山の巡礼者や旅人達の姿が視界に入ってきた。
 また、俺達がいるこの湖畔も同様で、沢山の馬車や馬で少々混雑した感じになっているのである。
 まぁ予想していた光景ではあるが、実際にこの混雑ぶりを見ると、流石に圧倒されてしまう。
(凄い混雑してるな……まぁそれだけ、この国の人々には重要な施設なんだろう。日本で言う出雲大社とかみたいな位置付けなのかもしれない。そういや、アーシャさんが道中、ピュレナの伝説を話してくれたっけ。確か……『コータローさん。巡礼地ピュレナは、イシュマリアに住む者達にとって、特別な意味を持つ聖地の1つなんですのよ。なぜならピュレナは、光の女神イシュラナが、御子であるイシュマリアに、破壊の化身ラルゴを倒す為の秘法を授けた地だとされているのです。そして、秘法を授かったイシュマリアは、ピュレナからラルゴの住まう魔境アヴェラスへと旅立ったと言い伝えられているのですから』……だったっけか。この内容なら、そんな感じで受け止めて間違いないだろう)
 つまりここは、女神イシュラナが啓示を示したという事の他に、イシュマリアの足跡を辿るという意味においても、非常に重要な意味を持つ場所なのである。
 以上の事から、イシュマリアの歴史を語る上で外せない宗教施設なわけだが、俺はそれらを眺めるうちに、少し気になる事があったのだ。
 それは何かというと、神殿の入り口や、その周辺がやけに物々しい警備になっていたからである。
 しかも、警備している兵士は、磨き抜かれた銀の重装備に白いマントという、見るからに精鋭部隊といった感じであり、明らかにその辺の兵士とは装備のレベルが違うのである。
 俺も街にあるイシュラナ神殿には何回か訪問した事があったが、こんな物々しい光景を見る事はなかった。
 というわけで、俺は早速、ラティに訊いてみる事にした。
「ラティ、神殿の警備がやけ
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