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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv30 巡礼地ピュレナ(i)
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舎はあるけど、巡礼者や旅人用のは無かった気がするなぁ」
「じゃあ、他の人達はどうしてるんだ?」
「ピュレナ神殿のすぐ隣に大きな湖があるさかい、その湖畔で旅人達は馬の世話をしとるな。多少混雑はするやろうけど、そこで世話するしかないんやないか。まぁ結構広い場所やさかい、十分場所はあると思うで」
「ふぅん。てことは、自分達で面倒見るしかないんだな」
「まぁそういう事になるな」
「そうか……」
 どうやら、自分達で何とかしないといけないようだ。
 俺やアーシャさんは馬の世話なんてできないから、レイスさんやシェーラさんに面倒を見てもらうしかないだろう。
 ついでなので、これも訊いておく事にした。
「あと、食事が出来るところはあるのか?」
「一応、あるにはあるな。神殿側が、巡礼者相手にやっている食事の配給があるんや。まぁお布施が必要やけどな。でも、味はあまり期待せん方がええで。出てくるのは神官達が食べるハミルとガラムーエにルザロやからな」
「それかぁ……確かに、あまり期待はしない方が良さそうだな」
 ちなみに今言った料理だが、ハミルはフランスパンよりも固い、丸く平たいパンで、ガラムーエは何種類かの豆を使ったスープ、そしてルザロは、数種類の干した果実や野菜を混ぜ合わせた乾燥食品である。まぁ早い話が、イシュマリアにおける精進料理というやつだ。一応、この地で広く食べられている簡素な食事の代表的な物である。
 俺もついこの間までいたベルナ峡谷では、ガラムーエとルザロを食べていたので、その味はよく知っている。ハッキリ言って味気ない食事だ。
 まぁそんなわけで、これに関しては過度の期待は禁物のようである。残念……。

 俺達はそれから更にピュレナの丘を進んでゆく。
 すると前方に、高さ100m以上はあろうかという、褐色の断崖絶壁が見えてくるようになった。
 また、徐々に近づくにつれ、断崖に彫りこまれた巨大な女神像の姿も、俺の視界に入ってきたのである。
 夕日に照らされオレンジ色に輝く断崖の女神は、ゆったりとした波打つ衣を身に纏い、両手を大きく広げ、訪れる者に優しく微笑む美しい女性の姿であった。
 全体的に、古代ギリシャの美術品を見ているかのような美しいフォルムの巨像で、その表情は慈愛に満ちており、胸元にはイシュラナの紋章が刻み込まれていた。 
 そして、そんな女神像の足元には、今まで見てきたイシュラナ神殿と同じ建築様式の建物が幾つか建ち並んでおり、その隣には、断崖から黄金色の飛沫(しぶき)を上げる大きな滝と、夕日が反射してキラキラと黄金に波打つ大きな湖があるのであった。
 夕日が創り上げるそれらの光景は、周囲の景色を忘れるほどに美しいモノであった。
 俺は感動のあまり、ただただ無言で、その光景を眺め続けていた。
 また、アーシャさんや
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