Lv30 巡礼地ピュレナ(i)
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る。
街道の先に目を向けると、背の低い山々が柵のように、横に連なって伸びていた。
というわけで、以上の事からもわかるとおり、ルーヴェラ周辺の青々とした大地の肥沃さは、ここからは感じられない。その為、この辺りは、少し寂しい感じがする所であった。
俺の知っている地球の景色で例えるならば、オーストラリアのエアーズロックがある辺りの光景だろうか。まぁとにかく、そんな感じの赤い大地が広がっているのである。
ちなみにだが、ラティが言うには、ここも一応、バルドア大平原だそうだ。
そして、この辺りからは人が住みにくい土地になる為、町や村がないそうである。
だがとはいうものの、この辺りまで来ると、俺達の周囲は結構賑やかな感じになってきていた。
なぜなら、俺達の他にも、沢山の人々や馬車の姿が確認できるからである。
というわけで、俺達は今、巡礼者や旅人達に紛れて進んでいるところであった。
その為、夕刻になったにも関わらず、魔物に対する不安はあまり襲ってこない。まぁ早い話が、赤信号、皆で渡れば怖くない、というやつだ。
それから程なくして、前方に見えていた山の麓へとやってきた俺達は、多くの巡礼者達と共に、そのまま山の中へと伸びる街道を進んでゆく。
近くに来て分かった事だが、山の斜面は赤い岩と土だらけで、今までと同様、草木はそれほど生えていない。そんなわけで、ある意味ここは、ベルナ峡谷に近い環境の所であった。
だが、山の標高自体がそれほど高くはないので、どちらかというと、丘陵地帯といった感じだろうか。それもあり、似てはいるものの、ベルナ峡谷ほどの険しさは感じられないのだ。
とりあえず、ここはそんな感じの所である。
そんな周囲の光景を眺めていると、ラティが俺に話しかけてきた。
「巡礼地は、このピュレナの丘を暫く進んだ所やから、後もうちょっとやで」
どうやらこの辺は、ピュレナの丘と呼ばれる地らしい。山にしては低いと思ったので、これで納得である。
まぁそれはさておき、俺はそこで太陽に目を向けた。
すると、太陽は今、地平線に4分の1ほど隠れたところであった。
日没の時間帯である。
「ラティ、太陽が沈み始めてるけど、日没までには着けそうか?」
「まぁそれまでには着けるやろ。ちゅうても、ギリギリってとこやろうけどな」
「それを聞いて安心したよ。ところでラティ、話は変わるんだけどさ。巡礼地に着いたら馬と馬車はどうするといいだろ? 厩舎なんてないよな?」
実を言うと、俺達の前後にいる沢山の巡礼者達を見てからというもの、これがずっと引っ掛かっていたのである。
この巡礼者の馬の数は、宿屋が仮に数十件あったとしても、手に余りそうな数だったからだ。
ラティは少し考える素振りをする。
「う〜ん……神官や貴族が使う厩
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