Lv30 巡礼地ピュレナ(i)
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まで頂けるなんて、もはや、お礼の言葉すら見つかりません」
「サナさん、そんなに気にしないでください。お兄様は当然の事と思って、私に持たせたのですから」
素性を知らないティレスさんは、サナちゃん達の事をアーシャさんの護衛と考えているので、そう言うのは当然だろう。とはいえ、いつかは本当の事を言わないといけない日が来るに違いない。はぁ憂鬱である。
まぁそれはさておき、ラティの姿が見えないので、俺は2人に訊いてみる事にした。
「ところで、ラティはどこに行ったの?」
「そういえば食後の散歩に行ってくるとか言って、さっき外に出て行ったわよ」と、シェーラさん。
「外に行ったのか」
俺は広場の入り口に目を向ける。
と、そこでタイミングよく、ラティが入口から姿を現したのであった。
ラティはパタパタと羽ばたきながら、こちらへとやってきた。
「お、戻ってたか。何の用やったんか知らんけど、とりあえず、お疲れさん」
「ラティは散歩に行ってたのか?」
「ま、そんなとこや。それはそうとやな……」
するとラティは俺の肩に止まり、非常に小さな声で耳打ちをしてきたのであった。
「コータロー……エエ場所が、ここにもあんねん。どや、ちょっと外で話でもせぇへんか。今度は大丈夫やさかい」
全てを察した俺は、そこでサッとウインクをしてラティに合図を送った。
他の3人は、そんな俺達のやり取りをジッと見ている。
だが、これは機密事項なので、当然彼女達のいるところで話す事は出来ない。
その為、当局はこの瞬間を持ってミッションの開始となるのだ。
俺は3人に告げた。
「あのですね。ラティが俺に相談したい事があるらしいんで、外でちょっと話してきます。ですから、少し待っていてもらえますか」
アーシャさんは首を傾げる。
「ラティさんが相談?」
「ごめんな、アーシャねぇちゃん。コータローにどうしても相談したい事があるんや」
「そうですか。わかりましたわ」
「まぁそういうわけなんで、ちょっと行ってきます。では」
そして、俺とラティは、ガテアの広場を後にしたのである。
[Z]
フィオナが白い壁の奥に足を踏み入れてから、2時間が経過しようとしていた。
壁の外にいる護衛の者達や神官は、その場にて静かに待機しているが、流石に帰りが遅い為、少しソワソワする者も現れはじめていた。
フィオナの護衛を務める女性近衛騎士のルッシラもその1人であり、帰りの遅いフィオナの身を案じて、同じ場所を行ったり来たり繰り返しているところであった。
磨き抜かれた美しい銀の鎧に身を包み、その上から赤いマントを纏うルッシラは、うなじで結った金色の長い髪を揺らしながら誰にともなく呟いた。
「遅い……遅すぎる……これほど時間が掛かる事は今までなか
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