Lv30 巡礼地ピュレナ(i)
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、ははは」
「……」
アーシャさんは無言で俺を睨み付けていた。
この様子を見る限り、多分、妙な想像をしているに違いない。
(はぁ……どう説明したもんか……ン?)
と、その時である。
丁度そこで、サナちゃんがモゾモゾと動き出したのであった。
サナちゃんは眠い目を擦りながら、俺とアーシャさんに視線を向け、ニコリと微笑んだ。
「あ、おはようございます、コータローさんにアーシャさん」
「へ? ああ、おはよう」
「え、ええ……おはようございます、サナさん」
サナちゃんがあまりにも普通に挨拶をしてきたので、俺とアーシャさんも釣られて挨拶をしてしまった。
そして暫しの沈黙が、俺達の間に訪れたのである。
まず最初に口を開いたのはアーシャさんであった。
「あの、サナさん……どうしてここに?」
サナちゃんは頬を染め、恥ずかしそうに口を開いた。
「えっと……夜中に、アーシャさんがコータローさんのベッドに入るところを見たので……私も、と思って入ってしまいました」
「あの……つまり、どういう事?」
「じ、実は……私もアーシャさんと同じで、1人で寝るのが怖いんです。それに私も、コータローさんが近くにいると安心できるものですから……つい……ご迷惑でしたか?」
サナちゃんはそう言うと、少しションボリとしながら、俺の顔を潤んだ目で見詰めたのである。
こんな風に見詰められると、俺も流石に何も言えない。
だが、今の話で腑に落ちない点があったので、俺はそれを訊ねた。
「いや、別に迷惑ではないけどさ。というか、なんでサナちゃんが、それを知っているんだい?」
「悪いとは思ったんですが……実は昨日の朝、コータローさんとアーシャさんの会話を私は聞いてしまったんです。それで……アーシャさんも私と同じだったんだと思って……」
サナちゃんが言っているのは、多分、ガルテナの宿での事だろう。
どうやらあの時の会話を聞かれてしまったようだ。
と、ここで、アーシャさんが気まずそうに口を開いた。
「そ、そうでしたの……。そ、それなら、仕方ありませんわね……」
まぁ確かに、サナちゃんは今までが逃亡生活だったようなもんだから、仕方ないといえば仕方がない。
だがそうなると、1つ懸念すべき事があるので、俺はそれを忠告しておいた。
「レイスさんとシェーラさんはこの事を知っているの?」
「い、いえ……レイスとシェーラにはまだ……」
「あのね、サナちゃん……俺を信用してくれるのは嬉しいんだけど、俺達は出会ってまだ5日しか経ってないんだ。だからレイスさんやシェーラさんには、ちゃんと言っておいた方がいいよ。護衛の2人も想定外の行動をされると困るだろうからさ」
「そ、そうですよね。すいません……軽率でした」
サナちゃんはションボリと肩を落
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