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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv29 ルーヴェラにて
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た方がいいだろう。
「そういえば言い忘れてたけど、実は俺達も王都に向かっているんだよ。だから目的地はラティと同じさ」
「なんや、コータロー達も王都かいな。ン……って事は、もしかして、王都に向かうのは初めてなんか?」
「ああ、初めてだ。話を戻すけど、ここから王都までは結構かかるのか?」
 ラティは天井を見上げて考える仕草をする。
「せやなぁ……馬車なら、最低でも2日はみといた方がええかもしれんな」
「2日か……」
「まぁ日数はそんなもんや。でもな、1つ問題があんねん。実はこの先、王都に着くまで、街や村が無いんやわ。せやさかい、必要なモンがあるんなら、ここで今の内に調達しとかなあかんで」
 ここでレイスさんが話に入ってきた。
「という事は、道中は野宿になるのか?」
「いや、野宿はせんでもええわ。まぁ時と場合によっては、それもあるやろけど」
「どういう意味ですか?」と、サナちゃん。
「ここから王都に向かう場合はな、普通、アルカイム地方に入ってすぐにある巡礼地ピュレナを目指すんが、旅人達の間では常識なんや。せやから、野宿はせんでええと思うで。とはいっても、道中、要らん事が起きたりすると、野宿もあるかも知れんけどな」
「ピュレナ?」
 初めて聞く単語なので、俺は思わず首を傾げた。
 すると、アーシャさんが答えてくれた。
「光の女神・イシュラナが、イシュマリアに自らの意思を伝えたと云われる、啓示の地の1つですわ。私は行った事がありませんが、噂によりますと、ピュレナには断崖に彫りこまれた巨大な女神像があるそうですわよ」
「へぇ、そうなんですか」
 岩壁に彫りこまれているということは、バーミヤンの石仏みたいな像なのかもしれない。
「まぁそういうこっちゃ。で、話を戻すけど、そのピュレナには巡礼者が寝泊まりできる大きな建物があるさかい、そこで一晩休んでから旅人達は王都に向かうんや。ただ、宿屋みたいに部屋はないから、皆で雑魚寝になるけどな」
「なるほどね、巡礼地ピュレナか……で、その巡礼地まではどれくらいかかるんだ?」
「ワイが気にしてんのは、そこやねん。実はな、ここからピュレナまでは結構距離があるんや。相当朝早く出発せんと、日が落ちるまでに着けへんねん。せやからさっき、イシュラナの鐘の鳴る頃では少し遅いと言ったんや」
「そうか……。ところで、ラティはいつ頃がいいと思うんだ?」
「せやなぁ、夜が明け始める頃には出た方がええと思うで」
 俺はそこで皆の顔を見た。
「どうする皆?」
「私達はこの土地には疎いですから、ここはラティさんの意見に従った方がいいかもしれませんね」
「私もそう思うわ」
「コータローさん。私も同意見ですわ」
「私もだ」
 皆はラティの意見に賛成なようだ。
 まぁそれが一番無難だろう。
「じゃあ、明日
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