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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv29 ルーヴェラにて
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周囲の建物の様式を考えると、テルマエ・ロマエに出てきそうな温泉浴場なのかもしれない。
 だがしかしィィィィ! そんな事はどうでもいいのである。とにもかくにも、今の俺は、温泉につかってゆっくりと身体を休め、鼻歌でも歌いたい気分なのだ。

 ラティに受付へと案内され、チェックインを済ませた俺達は、早速、部屋に向かう事にした。
 ちなみに借りた部屋は、6人部屋を1つだけだ。話し合った結果、皆で一緒にいる方が安全という結論に達したからである。
 部屋に入った俺は、荷物をその辺の床に置くと、ベッドに腰かけて横になり、まずは身体を休める事にした。
 この道中、魔物との戦闘も何回かあったので、流石に疲れたのだ。
 他の皆も同じで、室内に置かれた椅子やベッドに腰掛け、楽にしているところである。
 まぁそれはさておき、暫くそうやって体を休めていると、アーシャさんが俺に耳打ちをしてきた。
「コータローさん、お疲れのところ申し訳ありませんが、一度マルディラントに戻りたいので、ついて来てもらいたいのですが」
「ああ……そういえばそうでしたね」
 俺はそこで立ち上がり、サナちゃん達に視線を向けた。
「少しばかり、アーシャさんと出掛けてきますんで、皆は暫く、ゆっくりと休んでてもらえますか」
「わかりました」
「うむ。了解した」
「そうさせてもらうわ。私も疲れちゃたから」
 とまぁそんなわけで、俺はアーシャさんの一時帰宅に付き添うことになったのである。

 ――それから1時間後――

 俺達が部屋に戻ると、サナちゃん達の他にも待っている者がいた。ラティである。
 後で部屋に来ると言っていたので、チェックインの時に部屋番号を教えておいたのだ。
 ラティは俺達の姿を見るなり、ニカッと笑みを浮かべ、気さくに話しかけてきた。
「おっ、帰って来たな。悪いけど、上がらせてもらってるで」
「物流組合での用事とやらはもう終わったのか?」
 俺はそう言って、自分のベッドに腰掛けた。
 アーシャさんも俺の隣に座る。
「まぁな。それはそうとコータロー、明日なんやけど、いつ頃出発するつもりなん? ワイも、その辺の事を訊いとかなと思って来たんや」
「出発は……そうだな……ここにもイシュラナ神殿があるから、イシュラナの鐘が鳴る頃なんてどうだ?」
 するとラティは目尻を下げ、微妙な表情を浮かべた。
「イシュラナの鐘かぁ……少し遅い気もするなぁ……」
「え、遅いのか?」
「コータロー達はともかく、ワイは王都に向かわなあかんからな。まぁアルカイム地方に入るだけなら、1日あればええけど」
 そういえば、ラティには、アルカイム地方に向かっているとしか言わなかった。
 用心の為に伏せたのだが……こうなった以上は仕方ない。
 ここは誤魔化さず、ハッキリしておい
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