Lv29 ルーヴェラにて
[6/15]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
な上級の冒険者に僕達が出会えたのも、恐らく、女神イシュラナの導きなのだと思います。イシュラナに感謝しますと共に、これからの皆さんの旅にイシュラナの加護がありますようお祈り致しまして、僕達は失礼させて頂こうと思います」
テト君はそう告げると、目を閉じ、空にイシュラナの紋章を描く動作をする。
それからテト君は胸の前で掌を組み、イシュラナへの祈りを捧げたのであった。
「――遥かなる天上より、慈愛の光にて世を包み、我等を見守りし女神イシュラナよ……願わくば、この者達の旅に加護と祝福の光を―― では、僕達はこれで失礼させて頂きます」
そして彼等は、この場を後にしたのである。
彼等が去ったところで、ラティが口を開いた。
「さて、ワイもルーヴェラ物流組合に行かなアカンから、ここで一旦お別れや。ところで、コータロー達は今から宿を探すんやろ?」
「ああ、そうだけど。どこか良い宿を知ってるのか?」
「せやなぁ……まぁコータロー達が気に入るかどうかわからへんけど、この大通りの先にマイラっちゅう旅の温泉宿があるんや。結構大きな宿やから、部屋はあると思うで。厩舎もあるし。それにマイラは、物流組合が運営してる旅の宿やさかい、ワイの顔も効くしな。で、どうする? そこにするか?」
「……」
マイラ、温泉、メイジドラキー……何だろうこの既視感は……。
ドラクエTにもこういうのあったが、マイラのカテゴリが違うので少し戸惑ってしまうところである。宿屋に行ったら、妖精の笛や大サソリなんかも出てきそうな雰囲気だ。
ふとそんな事を考えていると、ラティが不思議そうに俺を見ていた。
「なんや、コータロー……口をポカンとあけて。嫌やったら、別にええんやで」
「違う違う、そうじゃないよ。ただ、懐かしい響きだなぁと思ってさ。なんでもないよ。ところで、どうする皆? ラティの薦める宿にする?」
「私はコータローさんの判断に任せますわ」
「私もアーシャさんと同じです」
「レイスさんとシェーラさんもそれでいいですか?」
2人はコクリと頷く。
というわけで、ここはラティにお願いする事にしたのである。
「じゃあ、ラティ、よろしく頼むよ」
「ほな行こうか。宿はコッチや」――
[V]
マイラはラティが言っていたとおり、結構大きな宿屋だったが、飾りっ気のない四角い石造りの建物で、割と庶民的な感じのところであった。
旅人の宿でもあるので、当然といえば当然かもしれない。多分、貴族はここに宿泊なんぞしないだろう。
まぁそれはさておき、俺は今、この世界に来て温泉に入れるとは思わなかったので、少しテンションが上がっているところであった。俺の中に脈々と流れる日本人の血が騒いでいるのである。
どんな温泉なのかはまだ見てないのでわからないが、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ