Lv29 ルーヴェラにて
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である。
見たところ、馬車は無事なようであった。
「どうやら大丈夫みたいですよ」
「ええ、馬も元気そうですので、あれなら旅に支障はなさそうですわ」
アーシャさんの言うとおり、馬は軽快に足を動かしていた。
とりあえずは一安心といったところである。
彼等の馬車は、俺達の後方でゆっくりと停車する。
と、そこで、テト君が馬車から降り、こちらへ駆け寄ってきた。
「コータローさん、遅くなって申し訳ありません。僕達の馬車は無事でした。なので、いつでも出発は出来ますよ」
「それはよかった。なら、そろそろ出発しようか」
「はい、ではよろしくお願いします」
テト君は自分達の馬車に戻る。
俺はそこでシェーラさんに指示を出した。
「シェーラさん、彼等の後方に回って、殿を引き続きお願いできますか?」
「わかったわ」
シェーラさんは頷くと馬に跨り、後方へと移動を開始する。
それを見届けたところで、俺はレイスさんに出発の合図を送ったのである。
「ではレイスさん、お願いします」
「了解した。ハイヤッ」
レイスさんの手綱を振るう掛け声と共に、馬車はゆっくりと動き始めた。
と、その時である。
――パタパタパタ――
なんと、あのドラキーが俺達の馬車に乗り込んできたのだ。
ドラキーは空いてる席に座ると、陽気な口調で話しかけてきた。
「ついでやさかい、ワイもここに乗せてぇな。道草食ったから疲れたんや。フゥゥ」
「つーか、もう乗ってるやんけ。まぁ空いてるから、別に構わんけどさ」
「へへへ、あんちゃん、中々ええツッコミするなぁ。ワイと気が合いそうやわ」
「なんじゃそら」
人懐っこいドラキーだ。
この様子を見る限り、赤いドラキーと人の共存してきた歴史は、相当長いのかもしれない。
まぁそれはさておき、道中、種族名で呼ぶのもアレだから、自己紹介でもしておくとしよう。
「そういえば自己紹介がまだだったな。俺の名はコータローだ。見ての通り、冒険者というやつだな」
「へぇ〜、あんちゃん、コータローって言うんや。でも、この辺ではあまり聞かん名前やなぁ。まぁ見たところ、アマツの民のようやし、当たり前か……。さて、じゃあ、次はワイの番やな。ワイの名はラティや。ヨロシクなコータロー」
「ああ、ヨロシク」
続いてアーシャさんやサナちゃんも自己紹介をした。
「私はアーシャですわ」
「私はサナです」
「アーシャねぇちゃんにサナねぇちゃんやな。覚えたで。ルーヴェラまでやけど、ヨロシク頼むわ」
何となくだが、俺と少し差のある呼び方である。まぁいいか……。
さて、名乗り合った事だし、軽く世間話でもするとしよう。
「ラティはドラキー便を始めて長いのか?」
「うんにゃ、まだ2年ほどやから、ペーペ
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