Lv28 アルカイム街道(i)
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…王都に向かうにつれて、徐々に魔物が強くなってきているという、この事実が、精神的に重く圧し掛かってくるのである。
そして、俺は1人、考えるのであった。
この先、一体、どんな魔物が待ち受けているのだろうかと……。
バルドア大平原を暫く進み続けると、街道のすぐ脇に、幅100mほどの大きな河が流れている所があった。
馬の休憩がそろそろ必要だったので、俺達はそこで少し休むことにしたのである。
俺はレイスさんとシェーラさんに馬の世話をお願いすると、馬車を降りて外に出る。
それから、両手を目一杯に広げて背伸びをした後、軽い屈伸運動をして、俺は旅の疲れを癒したのであった。
暫くそうやって体を動かしていると、サナちゃんとアーシャさんが俺の隣にやって来た。
「コータローさんは、この辺りに来たことがあるのですか?」
「いや、初めてだよ。サナちゃん達と同じさ。アーシャさんは?」
「私も初めてですわ。ところでコータローさん、ルーヴェラまでは、あとどの位かわかりますか?」
「ちょっと待ってくださいね」
俺は馬車の中から地図を持ってくると、2人の前に広げた。
「地図を見る限りだと、あと暫くは進まないといけないようですね。今進んでいるアルカイム街道とこの河の位置関係を考えるに、多分、俺達はこの辺にいるんだと思います。ですから、もう半分以上は進んだようですよ。この調子だと、日が落ちる前には、今日の目的地であるルーヴェラに着けるんじゃないですかね」
今言ったアルカイム街道がルーヴェラへと続く道の名前であり、王都へと続く道の名前でもある。
ちなみにだが、アルカイムという名前は王都オヴェリウスのあるアルカイム地方へと続くことからつけられた名前のようだ。
わかりやすいネーミングである。
「では、順調に進んでいるんですね。よかったです」
「そのようですわね。次の街はどんな所か楽しみですわ」
アーシャさんはそう言ってニコリと微笑んだ。
と、その時である。
【お〜い、あんちゃん達ィ〜、大変や〜、向こうで大変な事が起きとるんや〜】
流暢な関西弁が、俺達の頭上から小さく聞こえてきたのであった。
(ン……誰だ一体)
俺は声の聞こえた上空に視線を向ける。
そして、俺は驚きのあまり、思わず目を見開いたのである。
「なッ、なんだありゃ!?」
そこにいたモノ……それはなんと、愛らしい顔に蝙蝠の翼をもつ赤色の魔物であった。そう、ドラキーである。
しかも、黒い鞄をランドセルのように背負った、奇妙な出で立ちの赤いドラキーが、パタパタと羽ばたいていたのだ。
(なんなんだ……この流暢な関西弁を喋るドラキーは……)
と、ここでアーシャさんの声が聞こえてきた。
「あら? あれはドラキー便のドラキーじゃありませんの」
「
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