暁 〜小説投稿サイト〜
Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv28 アルカイム街道(i)
[7/13]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ルテナを発ってから3時間ばかり経過すると、前方に、広大な緑の平原が見えてくるようになった。地図で確認すると、どうやら、あれがバルドア大平原のようだ。
 そんなわけで、程なくして、モルドの谷を抜けた俺達は、そのままバルドア大平原を真っ直ぐと北に進み続けるのである。
 今まで少し閉鎖的な山の中にいた所為か、このバルドア大平原は凄く解放された気分になるところであった。
 馬車の中からバルドア大平原をグルリと見回すと、果てしなく広がる平坦な緑の草原と、そこにポツンポツンと点在する木々に加え、遠くに舞う鳥達の姿が視界に入ってくる。
 そして、時折吹く心地よい風が、穏やかな大海原の波のように、草原を優しく靡かせているのである。
 それは美しい光景であったが、どことなく夏の北海道に広がる牧草地帯のようにも見える所為か、それほどの感動は湧いてこなかった。というか、懐かしさのようなものを感じさせる光景であった。
 俺は北海道に行った事はないが、日本でも見かける風景なので、そう感じるのだろう。
 まぁとりあえず、バルドア大平原はそんな感じの所である。

 話は変わるが、このバルドア大平原からはマール地方でなくバルドア地方と呼ばれる地域になる。
 この地を治める太守はイシュマリア八支族の1つであるラインヴェルス家が担っているそうで、このバルドア地方最大の都市であるバルドラントという街にて、執政を行っているようである。
 そんなわけで、必然的にアレサンドラ家の管轄外になる地域なのだが、境となる部分に関所のようなものはないそうだ。多分、そういった物が必要ない統治方法をしているのだろう。
 ちなみにだが、イシュマリア国には地方が九つあり、それらは八支族とイシュマリア王家によって分割統治されているそうである。
 各地域の統治形態は中世の欧州や日本でも見られる封建制度のようだが、統治する者が神の御子イシュマリアの血族ということもあり、この国では統治者による戦乱の歴史とかはあまりないそうだ。とはいっても領地間における多少のいざこざはあるみたいだが……。
 まぁそれはともかく、王家と八支族による地方分権型の統治システムは、建国以来うまく機能しているみたいである。
 つーわけで、話を戻そう。

 バルドア大平原に入ってからというもの、俺は少し気が楽になっていた。
 なぜなら、辺りには背の低い草木しかない為、非常に見通しが良く、魔物の監視がしやすいからだ。
 以上の事から、俺は少しだけ緊張を解き、肩の力を抜いて周囲の警戒に当たっているのである。
 とはいえ、ここまでの道中、魔物との戦闘は4回ほどあった。遭遇した魔物は、キャットフライや兜百足、それから毒芋虫といった感じなので、ゲームならば、まだまだ序盤の敵である。撃退するのはそれほど難しくはない。が、しかし…
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ