Lv28 アルカイム街道(i)
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さん」
どうやらサナちゃんは微笑みだけで、アーシャさんを鎮めるのに成功したようだ。
回復系魔法が得意なだけあって、この子自身も、癒しの効果を持っているのかもしれない。ある意味、貴重な人材かも。
続いてサナちゃんは俺へと視線を向けた。
「あの、コータローさん。……昨日の事でお訊きしたい事があるのですが、今いいでしょうか?」
「いいよ、何?」
「昨日、リジャールさんの家を出発する前なのですけど、コータローさんは、坑道内に水が流れている所や湧いている所があるのかどうかを訊ねていた気がするのですが、あれは何の為に訊いたのですか?」
何かと思ったら、それの事か。
「ああ、あれはね、もし死体以外の魔物がいた場合、飲み水はどうしてるのかと思って訊いたんだよ。俺達のように食料や水を摂取しながら生きる魔物なら、長い間、飲まず食わずというのは流石に厳しいからね。その上、水は食料以上に持ち運びや保存が難しいし。だからさ」
サナちゃんは納得したのか、感心したように首をゆっくりと縦に振る。
「そ、そういう意図があったのですか。それは気が付きませんでした」
「まぁ、それが理由さ。で、あの時リジャールさんは、出入り口が1つしかない事と、警備を付けてから20日以上経過している事に加え、魔物の出入りもないような事を言っていたので、俺はこう考えていたんだよ。『坑道内にいるのは、水や食料を必要としない魔物ばかりの可能性がある』とね。でも、まさか、死骸だらけとは思わなかったけどさ」
実を言うと、事前にオッサンから魔物を操る奴がいるかも知れないと聞いていたので、腐った死体だけでなく、泥人形みたいな魔物もいるかも知れないと思っていたのである。
なので、少し拍子抜けした部分もあるのだった。まぁ色々と理由もあるのだとは思うが……。
と、ここで、アーシャさんも話に入ってきた。
「貴方って時々、意味の分からない質問をしますが、こうやって聞いてみると、的を得た事を訊いてるのですね。勉強になりますわ」
「いやぁ〜そうですかね。そんな風に言われると、なんか照れるなぁ。なははは」
俺は思わず後頭部をポリポリとかいた。
「コータローさんのお話って為になるのが多いので、もっと色々と聞かせてください」
「う〜ん……お話といわれてもねぇ。じゃあ、サナちゃんは何について聞きたいの?」
「では、コータローさんが見たという、魔物や魔法について書かれた書物のお話をお願いします」
「あ、それは私も聞きたかった事ですわ」
「それかぁ……」
あまり触れたくない話題ではあったが、仕方ない。
当たり障りない話でもしておこう。
とまぁそんなわけで、俺はこの道中、サナちゃんとアーシャさんに幾つかのドラクエ話をする事になったのである。
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ガ
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