Lv28 アルカイム街道(i)
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か。では、ありがたく頂戴いたします」
「うむ。持ってゆけ。それから、また欲しくなったら、儂の所に来るがいい。幾らでも作れるからの」
「はい、その時はまたよろしくお願いします」
代替え素材とはいえ、こういった物を作り上げてしまう、その手腕は流石だなと思った。
老いたりとはいえ、今でも超一流の錬成技術を持っているのだろう。ヴァロムさんが頼るわけだ。
「ところでコータローよ。ティレス様は、守護隊の派遣について何か言っておったかの?」
「ええ、それなのですが……ティレス様は今日中に第1陣を発たせると言っておりました。なので、恐らく、2日後には第1陣の部隊がこちらに到着すると思われますよ」
リジャールさんは安堵の表情を浮かべた。
「そうか、それは良かった。儂もその旨を村長に伝えておこう」
俺も昨晩の事を訊いてみた。
「昨晩はどうでしたかね? ヴァイロン達は現れましたか?」
リジャールさんは頭を振る。
「いや、現れなんだ。お主の言うとおり、今は攻め手を欠いておるのかもしれぬの。まぁこちらも今の内に警備体制を整えておけるので、その方が好都合じゃがな」
「確かに……あ」
と、そこで俺は、昨日、訊けなかった事を思い出したのである。
ちなみにそれは、サナちゃん達がいたので訊けなかった事であった。
「あの……この魔導の手なんですけど、ヴァロムさんが使っているところを見た事がないんですが、ヴァロムさんも以前は使っていたのですかね?」
「いや、ヴァルは魔導の手を使っておらぬ。というか、ヴァルなら、使わぬでも同じ事が出来るからの」
「え、それってどういう……」
「お主のその口振りじゃと、まだヴァルから、大賢者が編み出した秘法を学んではおらぬようじゃな」
大賢者の編み出した秘法……多分、アレの事だろう。
「それって……もしかして、魔生の法の事ですかね? それなら、今、学んでいる最中ですが」
「ほう、そうか。ならば話は早い。これはヴァルが言っておったのじゃが、魔生の法を使っておる時は、周囲に漂う大地の魔力に干渉出来るらしく、魔導の手を使わぬでも同じことが出来るそうなのじゃよ。まぁそういうわけで、ヴァルは魔導の手を使ってはおらんのじゃ」
「そ、そうだったんですか、初めて知りました」
まさか、魔生の法にそんな秘密があったとは……。
「実は儂も、お主と同じような事をヴァルに訊いた事があるんじゃ。するとヴァルの奴はの、こんな事を言っておったわ。――やろうと思えば道具無しでもできるのだから、無理して魔導の手を装備する必要はない。腕は2つしかないのだから、自分の能力をもっと高めてくれる物を装備する――との。あ奴らしい答えじゃわい」
「確かにそうですね。ヴァロムさんらしい合理的な考え方です」
「ああ、全くじゃ。……さて、儂から渡す物
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