Lv27 カラール魔導研究所
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「クラン・スピネルを手に入れるのは流石に厳しいじゃろう。儂も錬成技師を長い事やっておるが、国宝としてイシュマリア王家が管理している【落陽の瞳】と【蒼天の雫】しか見た事ないからの」
「ええ、私もそれしか見た事ないです。でもクラン・スピネルならば、劇的に改善できるのは間違いないですね。あの魔晶石の魔力増幅率と魔力収束率、そして魔力蓄積量は群を抜いていますから。ですので、もしあれを使えたならば、魔光の剣を発動しても魔力の消費をかなり抑えられる上に、消費せずとも150ベリアム以上の光刃を常時だせる筈です。おまけに、魔力増幅器としても使えるでしょうから、所有者の魔法もかなり強力なものになりますよ」
今の話を聞く限り、クラン・スピネルを使えば凄い性能をもつ武器になりそうだが、現状は無理と見て間違いなさそうである。仕方ない、諦めるとしよう。
というわけで、俺は多少の改善ができるのかを訊いてみる事にした。
「ところでグレミオさん、大幅な改善は難しい事が分かりましたが、多少の改善は出来るのですかね?」
「魔力収束率をある程度までなら向上させる事はできると思うよ。ただ、組み込んであるコルレッサ・スピネルを新しく加工しないといけないから、魔光の剣そのものを新しく作らないといけないんだけどね」
「そうですか。ちなみに、それってどのくらい日数が掛かりそうですかね、それと費用が幾らくらいかかるのか教えて頂けるとありがたいのですが」
グレミオさんはそこで顎に手を当て、考える仕草をした。
「そうだねぇ……まぁ10日もあればできるかな。もしなんだったら、改善した新しい魔光の剣を無料で製作してもいいよ。但し、交換条件があるけどね」
「交換条件?」
「ああ。月に2度ほど私の工房に来てもらって、試作品の試験使用をしてもらいたいんだよ。君のような魔力圧の持ち主はそうそういないから、そこで得られる結果は非常に貴重だからね。で、どうだろう、協力してくれるなら、無料で作るよ」
要するに、試作品の実験台になってくれたら、タダでいいって事か。
まぁその程度の事なら引き受けてもいいが、問題もあるのだ。
なぜなら、月に2度もマルディラントに来なければならないからである。
俺は風の帽子もない上に、秘蔵であるキメラの翼も10枚しかないので、少々、厳しい条件の気がしたのであった。
どうしようか迷っていると、アーシャさんが話に入ってきた。
「コータローさん、いいじゃないですか。試作品の試験使用をやったらどうです? こちらに来る時には、私も手を貸しますわよ」
「えッ、いいんですか?」
「構いませんわ。私も試作品の魔導器というのに興味がありますから」
折角だし、ここはアーシャさんの好意に甘えるとしよう。
だが返事をする前に確認しておく事がある。
「グレミオさん
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