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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv27 カラール魔導研究所
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知らずな面白い奴じゃな、コータローは。まぁよい。で、質問の答えじゃが、ベリアムとは大賢者アムクリストの教えを受けた弟子の1人の事じゃ。正式にはエウロン・アルバディート・ベリアムという。そして、この御方が、魔力圧を初めて数値化して体系的に纏めたので、その名を単位として用いておるんじゃよ」
「そういう事だったんですか……なるほど」
 これは勉強になる話であった。
 ヴァロムさんから一般常識もある程度習ってはいたが、主に社会システムや簡単な風習、そして文字の読み書きや魔法関連の話が殆どだったので、この国の歴史については疎いのである。
 まぁそんなわけで、俺は今、その辺の事をもっと習っておけばよかったと、少し後悔もしているのであった。
「まぁとはいっても、当時は単位なんてものは無かったそうじゃから、ベリアムという単位が用いられるようになったのは後世になってからじゃがな。それと余談じゃが、ラミナスの賢者・リバス殿はベリアム直系の方じゃから、これもついでに覚えておくとよいぞ。このイシュマリアやラミナスでは常識じゃからの」
「ええ、覚えておきます。恥をかくのは嫌なので……」
 そして俺は今の内容を、頭に深く刻み込んだのである。
 と、そこで、グレミオさんが話しかけてきた。
「あの、コータロー君だったかな。話を戻すけど、君は魔光の剣をどのくらいの期間使ってきたんだい?」
「ジュノンの月に手に入れて、それからずっとですね」
「フムフム。という事は、それなりに、この魔導器の特徴は把握しているって事だね。じゃあさ、お願いがあるんだけど、君の持つ魔光の剣で、あそこに置いてある鉄の前掛けを切断してもらいたいんだが、いいかい? 君の高い魔力圧で生みだされる魔光の剣が、どんなモノなのかを見てみたいんだよ」
 グレミオさんはそう言うと、部屋の片隅にあるエプロンみたいな形状をした鉄製の物体を指さしたのであった。
 なぜここに鉄の前掛けが……などと思ったが、表面が薄汚れているので、どうやら実験する時に使っている物のようだ。
「ええ、構いませんよ」
「じゃあ、お願いするよ」
 そしてグレミオさんは、斬りやすいよう、鉄の前掛けをその辺の椅子に立て掛けたのである。
 俺はソファーから立ち上がると、鉄の前掛けの所へと行く。
 そこで、俺は魔光の剣を手に取り、光の刃を出現させた。
(さて、では魔力圧を上げるか……)
 魔力圧が上がるに従い、光刃は更に眩い輝きへと変化してゆく。
 程よい輝きになったところで、俺は袈裟に、鉄の前掛けを斬りつけた。
 と、その刹那。

 ――カランッ――

 鉄の前掛けは豆腐でも斬るかのようにスパッと切断され、甲高い音を立てて石の床に横たわったのである。
 グレミオさんの感極まったような声が聞こえてきた。
「す、すばらし
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