Lv27 カラール魔導研究所
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か……ラミナスの騎士だったのか」
サナちゃん達の素性を知り、ティレスさんも少し安心したようだ。
まぁそれはさておき、俺も幾つか気になる事があったので、それを訊ねる事にした。
「あの、ティレス様。先程、陛下の変貌と仰いましたが、どういう事なのでしょうか? 以前、ルイーダの酒場に立ち寄った時にも、そんな噂を聞いたのですが……」
今の質問をした途端、ティレスさんは表情を曇らせたが、暫くすると話してくれた。
「そうだな、君にも話しておくとしよう。実はね、アムートの月に入ってすぐの頃に、こちらからイシュマリア王へ使者を送ったのだが、その時、謁見した者の話によると、陛下は二言三言答えはするものの、何を話してもまるで関心を示さず、無気力で無感動だったそうだ」
「無気力ですか……」
「ああ。それから、その使者はこうも言っていたんだ。……以前、謁見した時と比べると、まるで別人のようであったと。そして、イシュマリア城にいる者達は皆、陛下の変わりように狼狽えているのだそうだ。つまり、それが今のイシュマリア王なのだよ。しかもそれに加えて、ついこの間あったオルドラン様の投獄だからね。今のオヴェリウスは、少し異常な状態なんだ。俺が父上の身を案ずるのも、そういうところからきているのさ」
俺はイシュマリア王に会った事がないので何とも言えないが、良く知る者からすると別人に思えるくらい人が変わったという事なのだろう。
もしかすると、ドラクエVであったサマンオサの王のようになっているのかもしれない。
「ちなみにですが、イシュマリア王がそのような感じになり始めたのはいつ頃からなんでしょうか?」
「使者の話によると、ゴーザの月に入った頃かららしい」
「という事は、我々がイデア遺跡群に行って暫くしてからですか……」
「確かにそうだが、その件はあまり関係無い気がするがな」
「そうかもしれませんが……少し気になりますね」
考えすぎなのかもしれないが、そこが少し引っ掛かるところであった。
しかし、今考えたところで答えは出ない気がしたので、とりあえず、俺は置いておく事にした。
「まぁそれはそうと、コータロー君。アーシャの事を頼むよ。アイツはああ見えても、君の事を高く評価しているからね」
「勿論です。アーシャ様の事はしっかりとお守り致します」
「ああ、よろしく頼む。それとだが……これも君に渡しておくよ」
ティレスさんはそこで立ち上がり、ソファーの近くに立て掛けられた2本の剣を俺に差し出したのである。
剣は銀色の鞘に収まっており、金色の柄と十字を描くように交差する鍔の中心には、赤い宝石が埋め込まれていた。まぁハッキリ言って、かなりカッコいい西洋風の剣であった。
だが、剣を渡された意味が分からないので、俺は訊ねた。
「ええっと……この剣は何
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