Lv27 カラール魔導研究所
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象……」
ティレスさんは頷くと続ける。
「これは配下の者から聞いたのだが、ここ最近王都では、見た事もない強力な魔物が日に日に増えているそうなんだ。それに加え、王都は今、オルドラン様の投獄や、陛下の変貌といった今までにないおかしな事も起き始めている。だから、近いうちに何かとんでもない事が起こりそうな気がしているんだよ、俺は……」
「では尚更、アーシャさんが俺達に同行するのは不味いのでは?」
「そう……確かに、そんな所へアーシャを行かせるのは私も気がひける。だが何かあった場合、父上をすぐに避難させられるのは、アーシャの持つ古代の魔導器以外方法がないんだ。だからだよ」
「それならば、風の帽子を他の方に……って、アーシャさんがそんな事を許す筈がないですね」
アーシャさんの性格から考えて、あれを他人に渡すというのはあり得ない事であった。
なぜなら、風の帽子のお蔭で、自由を手に入れたからである。風の帽子はアーシャさんの唯一無二の宝物なのだ。
「ああ。アイツの性格上、あの魔導器を人に貸すなんて事は絶対ない。ましてや、取り上げてまでなんて事をしようものなら、父上がいない今、何をするかわかったものではないからな。だから、このまま君達と共に、王都へ向かってもらうのが一番手っ取り早いんだよ」
「そうですか。しかしですね、良いのですか? 旅には危険も付き纏いますし、仲間も俺達だけなのですが」
「ああ、それはわかっている。だが、アーシャも風の帽子の事は誰にも話したくはないだろうから、今のまま、君達と共に旅を続けてもらうのが一番いいと思うんだよ。夕食の時の様子を見る限り、アーシャも君達を信頼している感じだったからね。それにアーシャは、ラミリアンの者達にも風の帽子の事を話したのだろう?」
「ええ、まぁ……」
どうやらティレスさんが俺達を夕食に誘ったのは、どんな仲間なのかを見定める為だったようだ。
これは流石に気が付かなかったところである。
「そこで、だ。本題に入ろうと思うが、今日、ここにコータロー君を呼んだのはだね、君の目から見てラミリアンの3名はどうなのかが訊きたかったからなのだよ。君はイデア神殿での時もそうだったが、物事を深く見る目を持っているからね。で、どうなんだい? 信頼できそうな者達なのか?」
俺は首を縦に振ると、サナちゃん達の素性を少しだけ話すことにした。
「はい、信頼は出来ると私は見ております。夕食の時には触れませんでしたが、実はあの3名は共に、ラミナス国の騎士であった者達なのです。ですから腕もありますし、旅慣れてもいるので、私達も非常に頼もしく思っているのですよ」
「なんだって、彼等はラミナスの騎士だったのか……なるほど、どおりで……。実は先程の晩餐の時、一介の冒険者にしては珍しく礼儀作法を心得ているなと俺も思ったのだよ。そう
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