Lv27 カラール魔導研究所
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る。
「これは4日前に登録された冒険者の項目なんだけど、ここに君の名前に続いてアーシャの名前があるんだが、このアーシャはウチの妹で間違いないね?」
「はい……間違いありません」
どうやら、アーシャさんの工作は失敗に終わったようだ。
言い訳になるかもしれないが、俺は冒険者登録する時に、偽名を使っておいた方がいいと、一応、忠告はしたのである。が、しかし……アーシャさんは「大丈夫ですわ。名前だけですから、誰も気付きませんわよ」といって本名で登録したのだ。
その為、俺はもう少し説得しておくべきだったと、今になって後悔したのであった。
「やはりそうか……いや、俺もおかしいとは思っていたんだよ。父上が王都に向かう時、てっきり付いて行くものとばかり思っていたのに、こちらに留まったからね。そしたら、案の定だったというわけだ。俺もこれを見て驚いたよ。守護隊の人手が足らなくなってきたので、ルイーダの酒場・マルディラント店に登録してある最新の冒険者登録名簿を取り寄せてみたら、君達の名前が書かれていたのだからね。で、これは一体どういう事なんだい? もしかして、オルドラン様からの指示なのか?」
俺はどう答えようか悩んだが、もはや弁解の余地なしと思い、正直に言う事にした。
「いえ、違います。俺がヴァロムさんの件を聞いて王都へ向かおうとしたら、アーシャさんも付いて行くと言い出したんです。俺も反対はしたんですが、押し切られる形になってしまい、結果的にこうなってしまいました。本当に、申し訳ありませんでした」
そして俺は、テーブルに額がつかえるくらい、深く頭を下げたのであった。
「まぁそんな事だろうとは思ったよ。アーシャは言い出したら聞かないからね。おまけに、結構、根に持つ性格だしな……」
「ええ……」
俺達の間にシーンとした重い空気が漂い始める。
この様子を見る限り、ティレスさんもアーシャさんには苦労しているのだろう。
「ま、まぁ、アレだ。それについては、とりあえず、置いておこう。今問題なのはそこじゃないからね」
「ええ。それでどうされるのでしょうか? アーシャさんに諦めるよう説得するのでしたら、俺にもこうなった責任があるので、手伝いますが」
ティレスさんはそこで目を閉じ、無言になる。
だが次の瞬間、予想もしない言葉が返ってきたのである。
「いや……アーシャには引き続き、君達と共に王都へ向かって貰おうと思っている」
「えッ!? いいのですか? 今までは大丈夫でしたが、この先どうなるかわかりませんよ。魔物も多くなってきている感じですし」
「それはわかっている。しかし、漠然とだが、何か嫌な予感がするんだ。昨今、魔物の数が急激に増えているのは君も知っているとは思うが、王都の周辺ではそれ以外にも、別の現象が起きているらしいんだよ」
「別の現
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