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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv27 カラール魔導研究所
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よく分かる。
 以上の事から俺は、ここまで鍛えてくれたヴァロムさんに、今更ながらも深く感謝したのであった。
 というわけで、話を戻そう。
 
 太陽も少し傾き始めた頃、俺達はグレミオさんの工房を後にした。
 そしてリジャールさんを送り届ける為に、俺達は街の片隅にある人気のない場所に行き、風の帽子を使ってガルテナへと一旦戻ったのである。
 出発地点であるリジャールさんの家の裏手に降り立ったところで、リジャールさんの感心する声が聞こえてきた。
「しかし、凄いもんじゃな、古代魔法文明という物は……。馬でも往復で4日から5日は掛かる距離を、一瞬じゃからのぅ」
「同感です。こんな凄い物をアーシャさんが持っていたなんて知りませんでした」
 サナちゃんはそう言って風の帽子に目を向ける。
「本当よね。コータローさん達と旅して、まだ3日ほどしか経っていないのに、驚かされる事ばっかりだわ」
「全くだ。だが、私は運が良かったとも思っているよ。これほど頼もしい人達は、そうはいない気がするからな」
「でも、この事は内密にお願いしますわよ。色々と面倒な事になりかねないので」
 アーシャさんはそう告げると、口元に人差し指を立てた。
「ああ、それはわかっておるよ。アーシャ様にこれ以上ご迷惑はかけられぬからの」
「私達も他言はしませんから、安心してください」と、サナちゃん。
「ところでリジャールさん……ティレスさんに直談判した事を、村長にはどう説明するんですか?」
 俺の質問にリジャールさんはニコリと笑みを浮かべた。
「ああ、それか。まぁそれに関しては、儂の昔の肩書を利用して、アレサンドラ家に書簡を前もって送っておいた事にでもしとくわい。儂がクレムナン家の者という事までは村の者も知らぬから、この事実を話せば納得するじゃろう」
「それがいいかもしれません。ある程度事実を伴わないと嘘はバレますからね」
「じゃな。まぁそれはともかくじゃ。お主達、明日はまたここから出発するのかの?」
「ええ、そうですが」
「ならば、出発する前に一度、儂の家に立ち寄ってくれぬか? お主達に渡しておこうと思う物がある。まぁある意味ガラクタと呼べるかもしれぬが、何かの役には立つかもしれぬからの」
「えッ? これ以上貰うのは、流石に悪いですよ。先程頂いた報酬ですら、ちょっと身に余る気がしますし」
 アーシャさんも俺に続く。
「コータローさんの言うとおりです。魔導器はどれも貴重なものばかりでしたから、これ以上は悪いですわ」
 するとリジャールさんは飄々としながら、こう言ったのである。
「そこまで気にせんでもええ。それほどの物ではないわい。ありゃ、1回使ったらダメになる失敗作じゃからな」
「へ? 1度しか使えない……何ですかそれ?」
「カッカッカッ、それは明日になってか
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