Lv26 そして報告へ……
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なので、夜と違って魔の瘴気が薄いという事ですかね」
「ふむ、魔の瘴気か……」
「これは俺の想像ですが、ヴァイロンが水晶球を割った行動は、魔物を操るには距離以外にも必要なモノがあるという事を、暗に示している気がするんですよ。そして、その必要なモノとは、それなりに濃い魔の瘴気だと思うんです。そう考えますと、今まで日中に魔物が外に現れなかったという事や、ヴァイロンが芝居を打った時に、用済みの魔物をすぐ坑道内に退き返させた事も、全て納得がいくんです」
「なるほどの……。で、もう1つは何じゃ?」
「もう1つは坑道の入り口側に、毒を持つ腐った死体を配置していた事です。腐った死体を入り口側に配置したのは、毒という心理的な壁を外部の者に与え、坑道の奥へ近づけさせない為だと思うのですが、逆に考えると、予備の魔物がいないので、腐った死体を坑道の手前側に集中させ、奥の魔物を守っていたとも考えられるんです。手勢のある内に、彼等も早く終わらせてしまいたかったでしょうからね。リジャールさんも新たな魔物の出入りはないような事を、出発前に言ってましたし。で、ここが重要なんですが、ヴァイロン達がわざわざ冒険者に化けてまで潜り込んだのは、これが1番の理由だと思うんです。なぜなら、ヴァイロン達の能力を考えた場合、監視しながら目的を達成するには、この方法が最も危険の少ない方法なんです。それを裏付ける事として、ヴァイロンとリュシアが一緒に警備する事があまりなかった、というのもありますしね。ですから、彼等は今、攻め手を欠いているように思うんですよ。まぁ、これが理由ですかね」
俺の話を聞いたリジャールさんは、顎に手をやり、ボソリと呟いた。
「言われてみると、確かにそうじゃな。という事は……今のところ、夜が一番危険という事か」
「でも、これは確証がある事ではないので、何れにせよ、警備は厳重にしておいた方がいいと思いますよ」
「ふむ……まぁとりあえず、考えるのは後にするかの。さて……」
リジャールさんはカディスさんに視線を向けた。
「ではカディスよ、儂等は今から、中で見たことを村長に報告しにいく。じゃから、お主達の指揮の元、坑道の警備を引き続き行ってもらいたいのじゃが、良いかな?」
「ええ、わかっております。何かありましたら、すぐに伝令の者を走らせますので、安心して向かってください」
「じゃあ、すまぬが、宜しく頼む」――
村へと戻った俺達は、リジャールさんと共に村長に会う事となった。
ガルテナの村長は60代くらいの初老の男性で、穏やかな表情をした方であった。
体型はやや小太りな体型で、頭はサ○エさんに出てくる波平のように、頭頂部に毛を1本だけ残すというヘアスタイルをしていた。あえて1本残すところに、こだわりを感じさせる髪型である。
まぁそれはさておき、報告し
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