Lv25 無垢なる力の結晶
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えていた錬成技師である儂等が、こんなガルテナの山奥に揃って住んでおるのは流石に怪しまれるからの。特にガルテナは、儂が移住してきた時ですらも、驚く者がおったくらいじゃ。だから、その辺の配慮はせねばならんかったのじゃよ」
「ああ、そういう事ですか、なるほど」
確かにそういった事情ならば仕方ないだろう。
リジャールさんは続ける。
「まぁそういうわけで、儂等はこうして調査を開始したわけじゃが、地道に進めてきた事もあり、調査には年月が掛かった。しかし……今から遡る事約1年前、儂等はようやくその決め手となる、ある事実を発見したのじゃ。じゃが、ここで大きな問題が出てきた」
「大きな問題?」
するとリジャールさんはコメカミをポリポリかきながら、恥ずかしそうに話し始めたのである。
「それが実はのぅ……掘削する為の資金が足りなかったんじゃよ。いや、ある程度は蓄えもあったんじゃが、調査の時間が予想以上に掛かったので、そこまでの資金はもう無かったんじゃ。資金援助を有力貴族に願い出ようかとも思ったが、胡散臭い話には誰も飛びつかん上に、あまりこの事を口外したくないという裏事情もあった。その為、儂等は途方に暮れていたのじゃ。……だが、そんな時じゃった。古い親友が儂の元に現れたのはの……。そして、その男は、ある魔道具を製作するのと引き換えに、その資金を作ってくれたのじゃ」
リジャールさんはそう言って、僅かに微笑みながら俺の顔を見た。
この表情を見る限り、その男とは多分、ヴァロムさんの事だろう。
つまり、遠巻きながら、この一連の騒動にヴァロムさんも関係しているのだ。
というか、更に突き詰めると、俺も関係しているのかもしれないが……。
ま、まぁそれはともかく、話を進めよう。
「では、掘削する為の資金の目途が立ったのですね」
「うむ。じゃから儂は、それを一刻も早く知らせる為に書簡をフレイに送ったのじゃよ」
「そうですか」
色々と複雑な事情があるのは分かったが、まだ知りたい事があるので、俺は質問を続けることにした。
「リジャールさん、殺害現場がフレイさんの家と先程仰いましたが、フレイさんは家のどこで、どのように殺されたのですか? それと遺体を一番最初に発見したのは誰かわかりますかね?」
「近所の者の話じゃと、フレイは錬成作業をする部屋の床で、大の字になって死んでおったらしい。儂も部屋を確認したが、床に血の跡が残っておったから、まず間違いないじゃろう。しかも、ナイフで心臓を一突きだったそうじゃ。恐らく、即死だったに違いない。その上、傷もそれ以外無かったそうじゃから、相当な手練れの者に一撃で殺されたのではないかと言われておる。それと最初に発見したのは、確か、イシュラナ神殿の神官じゃと聞いた気がするの」
発見は作業部屋で、心臓を一突きに、発見者は
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