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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv25 無垢なる力の結晶
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の中だったのじゃよ。……儂は墓前で友人の死を悲しんだ。こんな老いぼれよりも先に逝ってしまいよって……とな。じゃがの、そこで少し引っ掛かるところがあったのじゃ」
「引っ掛かる事?」
「うむ。それはの、フレイが殺される理由が分からなかったのじゃよ。フレイは恨みを買うような男ではなく、人の良い男じゃったからの。じゃから、儂はその理由が知りたかった為、近所の者達に色々と事情を訊いて回り、それから殺害現場であるフレイの家の中を少し調べる事にしたのじゃ。儂はフレイの部屋を念入りに調べた。じゃが、手がかりになるような物などは何も出てこなかった。そして、もうそろそろ引き上げようかと思った、丁度その時じゃった。机の上に無造作に置かれた封筒が儂の目に飛び込んできたのじゃ。ちなみにそれは、以前、儂がフレイに宛てて送った書簡の封筒であった。儂はそれを手に取って確かめたが、中は空っぽであった。じゃが、アレはあまり人目に触れさせるのは不味いので、儂は慌てて書簡を探したのじゃ。しかし……幾ら探せども、儂がしたためた書簡は見つからなかった。その為、儂は諦め、とりあえず、ルーヴェラを後にしたのじゃよ。そして……それから10日くらい経ったある日の事……儂が村の者1人を連れて坑道にやって来た時じゃった。そこで儂は、あの死体の魔物と初めて遭遇したのじゃ。そこから後はもう、お主も知っている通りの展開じゃ……」
 リジャールさんはそう言って、大きな溜め息を吐いた。
「そうだったのですか。つまりリジャールさんは、以前、坑道に踏み込んだ時に聞こえてきた掘削の音を聞いて、したためた書簡の内容が漏れたのでは……と考えたわけですね?」
「ああ、その通りじゃ。でなければ、この採りつくしたラウム鉱採掘跡に、わざわざ採掘しに来るなんて事はないからの」
「確かにそうですね……。ちなみにですが、送った書簡には具体的にどんな事を書かれたのですか?」
「掘削の資金が出来た事や、掘って行くルート、それと大まかな計画じゃ」
 これで事情は飲み込めたが、俺は気になった事が幾つかあった為、それを訊ねる事にした。
「リジャールさん、先程、無垢なる力の結晶という言葉が出てきましたが、それは一体何なのですか?」
「無垢なる力の結晶……これはな、儂等、錬成技師の間では幻の錬成素材と呼ばれているモノじゃ。イシュマリア誕生以降、未だ嘗て誰もそれを見た者はいないと云われておる」
「幻の錬成素材という事は、恐ろしく貴重な上に、採取が極めて難しい素材なんでしょうね」
「うむ、その通りじゃ」
 初めて聞く名前であった。が、ここで、ラーのオッサンが言っていたヴァナドリアムという単語が俺の脳裏に過ぎる。
 しかし、今はリジャールさんの話を聞くのが先決なので、とりあえず置いておく事にした。
 リジャールさんは続ける。
「儂は若
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