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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv25 無垢なる力の結晶
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かく、先程の質問じゃが、お主の推察通りじゃ」
「やはりそうでしたか」
 リジャールさんは頷くと続ける。
「実は今から10日ほど前、一度だけ、儂とカディス達は坑道内に足を踏み入れたのじゃが、その時、坑道の奥から岩を削るような音が聞こえてきたのでな、もしやと思ってたんじゃよ。まぁでもその時は、魔物が吐く毒の息に当てられて酷い目に遭ったもんじゃから、すぐに退却したがの」
 事情は大体分かったが、まだ1つ引っ掛かっている事がある為、俺はそれを訊ねる事にした。
「ではもう1つ訊きますが、リジャールさんはヴァイロン達兄妹の目的が何なのかを知っているのですね?」
 だがリジャールさんは頭を振る。
「さぁの……そればかりはわからぬ。じゃが、儂と同じモノを探していた可能性は十分にあるじゃろうな……」
 と言うと、リジャールさんは少し目尻を下げ、悲しげな表情を浮かべたのであった。
 どうやら、この表情を見る限り、何か色々と複雑な事情があるようだ。
「あの……差支えなければ、聞かせてもらえないでしょうか?」
 俺の言葉を聞き、リジャールさんは探るような眼で俺達を見てゆく。
 程なくして、リジャールさんはゆっくりと首を縦に振った。
「わかった……話そう。じゃが、他言は無用じゃぞ」
 俺達はそこで顔を見合わせると、互いに頷く。
 皆を代表し、俺が返事をした。
「他言はしません。皆、口は堅いので安心してください」
「うむ。では話そう……」
 そしてリジャールさんは目を閉じ、静かに話し始めたのであった。

「モルドの谷を抜け、バルドア大平原を王都方面に向かって進んで行くと、ルーヴェラという大きな街があるのじゃが、そこに儂の嘗ての弟子であるフレイという名の男が住んでおった。フレイとは30ばかり歳が離れておったが、非常に優秀な弟子でな、錬成の腕前は師である儂に勝るとも劣らずといったところじゃ。まぁそれもあってか、儂等は師弟というよりも友人といった方がしっくりくる関係でもあった。で、そのフレイにじゃな、儂はヘネスの月の中頃、ルーヴェラとガルテナ間を行き来するドラキー便で書簡を送ったのじゃよ。内容は、儂等が長年探し求めている『無垢なる力の結晶』についての事じゃ。じゃがの……それから10日ばかり経った頃じゃった。フレイは何者かに殺されてしまったのじゃよ。しかも、自分の家での」
「殺された……」
 なにやらキナ臭い殺人事件だが、今はとりあえず、リジャールさんの話を聞こう。
 リジャールさんは頷くと続ける。
「ああ、殺されたのじゃ。で、話を戻すが、当時、儂はそれを人づてに聞いたもんじゃから、急いでルーヴェラへと向かった。勿論、事の真偽を確かめる為にの。……じゃが、結果は噂の通りであった。儂がルーヴェラを訪れた時には、もう既に葬儀も終わっており、フレイは墓
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