Lv25 無垢なる力の結晶
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。そうか、二重の罠を張っておったのか……」
「でも、今のはあくまでも俺の想像ですので、本当のところはどうかわかりません。ですが、魔物を操れる距離に限界があると考えると、ヴァイロン達の回りくどい行動も全て納得ができるんですよ。彼等も出来る範囲の事で、これらの計画を立てたと思いますからね」
「ふむ、確かにの。となると、あの毒を吐く死体の魔物は、儂等を坑道に近づけぬようにする為のものじゃったのじゃな。毒を撒き散らす魔物は脅威じゃからのぅ」
「恐らく、そうでしょう。毒消し草は少々高価な上に、キアリーの使い手も少ないですからな。毒を持つ魔物というだけで、我々冒険者ですらも嫌な気分になりますよ」と、カディスさん。
「全くだぜ。体が丈夫な俺も、毒だけはどうにもなんねぇからな」
と、そこで、アーシャさんが俺に訊いてくる。
「コータローさん。そういえば、あの兄妹達はどこに行きましたの?」
「それなんですけど、あの兄妹はリレミトとかいう呪文を唱えて、この坑道内から消えたんです。多分、古の転移魔法の一種だと思うんですが……つまり逃げられたという事でして……すいません、俺も油断してました」
リレミトについては、知らないふりをしておいた。
なぜなら、ヴァロムさんから魔法の種類について教えてもらっていた時、リレミトなんて魔法は出てこなかったからである。
「そういえばエンドゥラスは、古の魔法を2つ3つ使えると聞いた事があります。という事は、リレミトもその類の魔法かも知れませんね」と、サナちゃん。
リジャールさんは頷く。
「うむ、多分そうじゃろう。それとリレミトじゃが……恐らく、建物や洞窟内に立ち入った際、一気に外の入口へと脱出する魔法かもしれぬな」
「え? 知っているんですか?」
意外な言葉が出てきたので、俺は思わず訊き返した。
「いや、知っておるというほどのモノではないわい。儂はその昔、古代の文献で、その記述を見た事があるというだけじゃ。じゃが、これが正しいならば、奴等はもう坑道の外じゃろうな」
リジャールさんの言ってる事はゲームなら正解である。
しかし、この世界でも同じかどうかわからないので、今のところは保留にしておいた方がよさそうだ。
と、そこで、今まで静かにしていたカロリナさんが口を開いた。
「でも変じゃない? ……あの兄妹が魔物を操っていたのは間違いなさそうだけど、いなくなった後も魔物達は動いていたわ。どういう事なのかしら……」
ゾフィさんもそれに同調する。
「確かに、カロリナの言うとおりよね。コータローさんはどう思う? 貴方の意見を聞きたいわ」
「それについては、多分、退却間際にヴァイロンが床に投げつけた黒い水晶球が原因だと思います。事実、アレが割れた瞬間、この空洞内に禍々しい魔の瘴気が漂いだしたのを俺も感じました
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