Lv25 無垢なる力の結晶
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子を見る限り、どうやらここには、魔物の類はいないようである。が、喜ぶわけにはいかない。
毒のガスが辺りに漂っている為、あまり長居はしたくない場所だからである。
ちなみにだが、どうやらこの毒の液体というのは、そこから発生するガスを吸い込むことによって体力を奪っていく仕様のようだ。
ゲームでは深そうな毒の沼地を進んでいるようなイメージだったが、これは予想外であった。
だが考えてみれば、こんな岩だらけの坑道内に、そんな深い沼があるわけもないので、これが当然なのかもしれない。
まぁそれはさておき、暫し様子を窺ったところで、リジャールさんは安堵の息を吐いた。
「フゥ……この様子じゃと、やはり魔物はおらぬようじゃな。多分、あれで打ち止めだったのじゃろう」
リジャールさんはそう言って、左側の通路に目を向けた。
「さて、それではコータローよ。毒の液体がない左の通路へ行こう。この先に、儂等が掘削する予定じゃった場所があるからの……」
「わかりました」
俺は左側の通路へと足を踏み出した。
と、そこで、サナちゃんが俺の右袖をクイクイと引っ張ってきたのである。
「どうしたのサナちゃん?」
「コ、コータローさん……そ、そ、傍にいてもいいですか?」
少し様子が変であった。
何かに怯えているような感じだったので、とりあえず、訊いてみる事にした。
「それは構わないけど、何かあったの?」
するとその直後、サナちゃんは俺の右脇腹にしがみ付き、体を密着させてきたのである。
「ちょっ、サナちゃん、どうしたの?」
サナちゃんは身体を震わせ、口を開いた。
「す、すいません……わ、私……本当は洞窟とかが苦手なんです。今まで、我慢してたんです。ごめんなさい」
なんとまぁ……。
ザルマの件が重く圧し掛かっていたので、無理して来てくれたのだろう。
健気な良い子だ。頭をナデナデしてやりたくなってくる。
多分、リジャールさんの魔物はいないという言葉を聞いて、緊張の糸が切れたに違いない。
などと考えていた、その時である。
(エッ!?)
今度はアーシャさんが俺の左隣に来て、同じようにくっついてきたのだ。
「コ、コータローさん。ちゃんと私の護衛もしてもらわないと困りますわよ。貴方だけが頼りなんですから」
「アーシャさんもですか……」
そういえば、この坑道に入った直後のアーシャさんも、今のサナちゃんと同様に怯えまくっていたのだ。
この様子を見る限り、2人共、洞窟は苦手なのだろう。
だが、よくよく考えてみれば、2人はお姫様である。こんな所に来ることは、今までの人生で殆どなかったに違いない。
(はぁ……怖いなら、無理してこなきゃ良かったのに……)
そこで、リジャールさんの笑い声が聞こえてきた。
「カッカッカッ、両
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