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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv25 無垢なる力の結晶
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部屋の中に何らかの痕跡が残ったと思いますしね。おまけに窓もないですから、外からナイフを投げたなんて事も無さそうです。それだけじゃありません。リジャールさんの送った封筒の中身が無くなっていたというのも引っ掛かるんです。もしかするとフレイさんは、ガルテナで行なっているリジャールさんとの調査や、その書簡について、気心のしれる親しい人物にそれとなく話したのかもしれません。そうなると、フレイさんを殺害した何者かは、書簡を手に入れるのが目的だったという事になります。いや、寧ろそう考えた方が、これら一連の出来事の辻褄が合うような気がするんですよ。そしてここが重要なんですが、これが真相ならば必然的に……フレイさんを殺した者は、魔物達と密接な関係があるという事にもなるんです。まぁとはいっても、古代の魔法を使い、透明になって襲いかかったという可能性や先程のヴァイロン達のように変装してフレイさんに近づいた可能性も勿論あるので、今言ったのはあくまでも1つの可能性として考え……え?」
 俺はそこで言葉を切った。
 なぜなら、皆ポカーンと口を開け、呆けた表情で俺を見ていたからだ。
 アーシャさんは口元をヒクつかせながら、言葉を発した。
「コ、コータローさん。よくそこまで色んな事を考えられますわね。感心しますわ」
 他の4人も同様であった。
「凄いわね……あの話で、ここまで物事を深読みする人、初めて見たわ……」
「ああ、俺もだ。いや、ある意味、ここまで考えられるから、ヴァイロン達を見破ったともいえるが」
「コータローさん、凄いです……」
「お主、たったあれだけの情報で、よくそこまで考えられるの」
 皆の目は、まるで珍獣でも見るかのような感じだったので、俺は少し居心地が悪くなった。
 ちょっと喋りすぎたか……。
 しかし、頭が冴えるので、色々と考えてしまうのである。
 多分これは、賢者のローブを着ている恩恵なのかもしれない。賢さが上がるというやつなのだろう。
 考えてみれば、賢者のローブを装備してからというもの、頭が冴えた調子いい時の状態が持続してるような感じなのだ。
 もしかすると俺は、このローブを着る事によって、凄い恩恵を知らず知らずの内に受けているかも知れない。
 まぁそれはさておき、俺はオホンと咳をいれて仕切り直すと、質問を再開した。
「ええっと、では話を戻しますが、ルーヴェラでフレイさんと懇意にしていた方ですけど、誰か心当たりありませんかね?」
「フレイが特に親しくしていたとなると、ルーヴェラの有力貴族であるゴルティア卿と直近の配下の者達、そしてルーヴェラにあるイシュラナ神殿のゼマ神官長と直近の神官達、それとあとは近隣の住民じゃろうか……多分、そのくらいじゃろう」
「そうですか……」
 ゴルティア卿にゼマ神官長か……。
 とりあえず、厄介
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