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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv25 無垢なる力の結晶
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イシュラナの神官か……。
 いや、考えるのは後にしよう。今は質問が先だ。
「そうですか、なるほど。では続けますが、その部屋は1階ですか? それと部屋に窓や入り口は幾つありましたか?」
「部屋は1階じゃ。というか、フレイの家は平屋じゃから2階は無い。それと入口は1つだけで窓は無いの。日の光は錬成作業の邪魔じゃからな」
「では、その部屋の大きさはどのくらいでしょうか? それと部屋の様相はどんな感じでしたか?」
「部屋の大きさは、昨日、お主と話したあの部屋くらいのもんじゃ。それと部屋の様相は、中央に錬成用の壺と錬成陣があり、周囲の壁に棚や机が幾つかある程度じゃから、それほどゴチャゴチャしてはおらぬの。至ってすっきりした作業部屋じゃな」
「そうですか。ちなみに殺された部屋は1階のどの辺りですか? 奥の方ですか、それとも玄関のすぐ近くですか?」
「奥の方じゃな」
「では話を戻しますが、殺されたという部屋……いや、家の中も含めてですが、争った形跡や何かを物色した形跡とかはありましたか?」
「ふむ……争った跡などは無かったような気がするの。フレイは几帳面じゃったから、家の中も綺麗じゃったわい。それに、近隣の住民も、そんな様子はなかったと言っておったしの。で、それがどうかしたのかの?」
「そうですか。ちょっと待ってくださいね。少し頭の中を整理します」
 この質問をしたのには勿論、理由があるが、これは犯人を捕まえようなどと思ってした質問ではない。
 ルーヴェラは王都に向かう際に通る場所なので、極力面倒は避けたいから訊いたのである。
 俺は整理がついたところで、現時点での見解を述べておいた。
「リジャールさん、これはあくまでも俺の想像ですが、フレイさんを殺したのは、フレイさんとかなり親しい人物の可能性があります。そこでお聞きしたいのですが、ルーヴェラでフレイさんと懇意にしていたのは誰かわかりますかね?」
 するとリジャールさんは慌てて俺に訊き返してきた。
「ちょっ、ちょっと待て……なぜそう思うんじゃ?」
「簡単に言うと、ナイフで心臓を一突きという死に方ですかね。普通、武器を持った者を見た場合、被害を受けるかもしれない者は、程度の差はあれ、多少身を守ろうとします。なので、射程の長い剣や槍や弓といった得物ならいざ知らず、ナイフのような間合いの短い得物で心臓を一突きというのは至難の技だと思うんです。ですが、気心を許せるほどの友人や知人ならば話は別です。かなり接近できると思いますから、意表をついてナイフ一突きで殺害するのは、それほどナイフを扱う腕がなくても難しくはないと思うんですよ。しかも、殺されたのは家の奥にある錬成作業をする部屋ですから、赤の他人をそんな大事な部屋に招くとも思えませんし、もしそんな者が無断で入ってきたならば、多少の小競り合いが起きて
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