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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv25 無垢なる力の結晶
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 ヴァイロン達兄妹はリレミトを唱えて脱出してしまった。
 これはハッキリ言って想定外の出来事だったので、俺は悔やんだ。が、今更そんな事をいったところで、もうどうしようもない。その為、俺は今しなければならない事へと、無理やり、意識を切り替えた。
 奥の空洞へと続く通路入口に視線を向けると、リレミトでヴァイロン達兄妹が脱出したにもかかわらず、大量の魔物が、今も尚、この空洞内へと入って来ようとしていた。
 そして、俺とリジャールさんを除いた他の者達は、それらの魔物を倒すべく、今まさに、戦闘をしている真っ最中なのである。
 武器を振るう度に発せられる掛け声や、呪文の詠唱が空洞内に響き渡る。
「でやッ」
「ヤァッ」
「ベギラマ」
「ハッ」
「ヒャダルコ」
「バギ」
「ラリホー」
「セイッ」
「ベホイミ」
 また、それが聞こえる度に、振るわれた剣や槍に斧が魔物達の身体を引き裂き、そして魔法が襲いかかるのである。
 だがしかし、今の戦況はあまり良いとは言えない状況であった。
 なぜなら、魔物達を幾ら倒しても、新たな魔物が次々と奥から現れ、休む間もなく、襲い掛かってくるからだ。 
 流石のカディスさん達も疲れてきたのか、武器を振るう鋭さが鈍くなってきていた。
 その所為か、次第に討ち漏らす魔物も少しづつ出始めており、その討ち漏らした魔物は包囲網を抜けて、空洞内へと入ってきているのである。
 それらの魔物は全て骸骨であったが、次第に数も増え、既に6体となっていた。
 しかも不味い事に、後方支援しているアーシャさんやサナちゃんの所に、そいつ等が迫っていたのである。
(チッ、嫌な所に出てきやがった……流石に数が多いから、リジャールさんにも少し手伝ってもらうか……)
「リジャールさん、レミーラ以外の魔法って何が使えますか?」
「儂が使えるのはメラとギラとイオと、それからマヌーサとマホトーンに、ピオリムとホイミとスカラじゃな。まぁこんだけじゃ。ヴァルのように強力な魔法は使えぬから、期待はするなよ」
「それだけ使えれば十分です。ではまず、ピオリムをお願いします」
「わかった。ピオリム」
 その直後、俺達の周囲に緑色の霧が纏わりついてくる。
 俺はそこで、魔力を両手に分散させ、スカラを自分とリジャールさんに掛けた。
「スカラ」
 俺達の周りに今度は青い霧が纏わりつく。
「ほう……お主、魔力分散が出来るという事は、相当、ヴァルに仕込まれておるの」
「そうっスか。まぁそれはともかく、今から俺は彼女達に加勢をしますんで、援護をお願いします」
「うむ、わかった」
 と、その時であった。
 骸骨達がアーシャさんやサナちゃんに視線を向け、移動を開始したのである。
 それに気付いたアーシャさんとサナちゃんは、
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