Lv24 魔の種族・エンドゥラス
[6/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ていないという事である。そう……俺達はまだ、床に沢山残されている大小様々な靴跡や、4つ足の主を見ていないのだ。
この足跡の主達が今どこにいるのかはわからないが、俺達の行く手を阻む為に、いずれ必ず現れるに違いないと、俺は考えているのであった。
[U]
5つ目の大きな空洞にいた6体の腐った死体を全て倒したところで、他の者達は周囲の探索を始めた。
だが、俺は今までと同じく、魔物達に聖水を降りかける事を優先し、その後、空洞内の探索を始めたのである。
俺は空洞を調べるにあたって、とりあえず、周囲をじっくりと見回す事にした。
それで分かった事だが、この空洞内の広さは、今まで見てきた小さな空洞の5倍はありそうだという事と、瓦礫の山が大量にあるという事、そして、その昔使われていたであろう、壊れた掘削道具や朽ち果てた木製のトロッコがその辺に転がっているという事だけであった。
要するに、特筆すべき点など何もない、ただの荒れ果てた採掘跡が広がっているだけなのだ。
勿論、ゲームのように宝箱が置かれている事もない。せめて、毒消し草とかでも落ちていると良かったが、当然の如く、そんな気の利いた物など落ちてはいないのである。
なので、探索と言っても、すぐに終わってしまったわけだが、収獲がなかったわけではない。
実はこの大きな空洞に来て、わかった事が2つあったのだ。
それは、ここには空気の流れが感じられるという事と、坑道内に響く、あのゴォォォという唸り声の様な音が、段々と近くなっているという事である。
(あの唸り声のような音と、この空気の流れは何か関係があるのだろうか……)
それが気になったので、俺は近くで瓦礫の山を見回るリジャールさんに、今の事を訊いてみることにした。
「リジャールさん、さっきから時々聞こえる、この気味の悪い音なんですけど、何の音なんですかね? それと、坑道内に空気の流れを感じるのですが、どこかに通気口みたいなものがあるんですか?」
「ああ、それはじゃな、向こうの空洞から吹く風の音じゃよ」
リジャールさんはそう言って、次の空洞へと繋がる通路を指さした。
「え? という事は外との接点があるのですか?」
「まぁ接点と言えば接点かもしれぬが、次の空洞には隙間風が吹くところがあるのじゃよ」
「隙間風?」
「うむ。次の空洞の左手には、行き止まりになった通路があるのじゃが、その突き当たりに、ひび割れのある大きな岩盤があってな、そのひび割れが外と繋がっておるもんじゃから、時折、隙間風が吹くんじゃ。お蔭で空気も薄くならずにすんでおる。まぁ早い話が、偶然できた通気口じゃな」
「なるほど……ひび割れからの隙間風ですか」
何か引っかかるところがあったが、今考えたところで答えは出ない気がしたので、置いておく
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ