Lv24 魔の種族・エンドゥラス
[3/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ドーンさんは相槌を打つと、カディスさんに視線を向けた。
「おい、カディス。ここにはリュシアはいない。それにガラクタばかりだ。もう次に行こうぜ」
カディスさんは頷く。
「ああ、そうしよう。ではリジャールさん、そろそろ先を急ぎましょう」
「うむ」――
俺達はその後、反対側にある空洞に向かい、ゆっくりと慎重に歩を進めた。
その途中、俺はヴァイロンさんに訊きたい事があったので、それを確認することにした。
というわけで、俺はまず自己紹介から始めた。
「ヴァイロンさん、挨拶が遅れましたが、私はコータローという者です。今日はよろしくお願いします」
突然だったので少し驚いていたが、ヴァイロンさんは軽く頭を下げた。
「こ、こちらこそ、よろしくお願いします」
「妹さん……たしかリュシアさんという名前でしたか。早く見つかるといいですね」
「ええ、早く見つけて連れ戻さないと……。アイツは気が強いので、いつかこういう事になるんじゃないかと思ってました。でもいくら冒険者とはいえ、リュシアは女です。恐ろしい魔物達が闊歩する中に、今1人でいると思うと俺は……」
ヴァイロンさんは消え入りそうな声でそう言うと、不安そうに肩を落としたのである。
暗い雰囲気になってしまったが、俺は質問を続けた。
「心中お察しします。ところで、話は変わるのですが、ヴァイロンさんに幾つか訊きたい事があるのです。こんな時に訊くのもアレなんですが、今、よろしいでしょうか?」
「訊きたい事……何でしょうか?」
「ええっとですね……ヴァイロンさんとリュシアさんは、坑道の入り口を担当する冒険者だと思いますが、それは毎日されていたのですか?」
「俺は毎日ですが、リュシアは時々です」
「という事は、今日たまたま2人が警護についたところで、あんなことが起きたわけですね?」
「はい、仰る通りです。ああ、こんな事になるのなら、村の方の警護に向かわせておくべきでした……」
ヴァイロンさんは、また暗い表情になり、ガクッと項垂れた。
「お辛い気持ちよくわかります。では、質問を続けさせてもらいますが、リュシアさんは明かりを得る為の手段はあるのですか?」
「リュシアは松明を持っている筈です」
「へぇ、そうなんですか。松明を」
「ここに配置された者は、何があるかわかりませんから、大体持っている筈ですよ。俺も1本持っています」
ヴァイロンさんはそう言うと、腰に下げた棒状の松明を見せてくれた。
「じゃあ、暗闇の中を彷徨うという事はなさそうですね。安心しましたよ。ところで、ヴァイロンさんと妹さんは、このガルテナでの警護をいつ頃からされておられるんですか?」
「俺達兄妹は、魔物が棲みつき始めて暫くしてからですけど」
「暫く? というと、具体的にどのくらい経ってからですか?」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ