Lv23 ラウム鉱採掘跡(i)
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おるがの」
「へぇ、そうなんですか」
俺はそこで手に付着している粉末を払うと、もう一度、周囲に目を向けた。
今は残りカスかも知れないが、魔鉱石を採掘していた時代は、この坑道も賑やかだったのだろう。
「コータローよ、話は変わるが、お主はもうレミーラを使えるのか?」
「ええ、使えますよ」
「そうか、ならばよい。今は儂がレミーラを使うが、もし儂の魔力が残り少なくなったら、お主にお願いするとしよう」
「了解です」
俺が返事したところで、リジャールさんはカディスさんに告げた。
「さて、ではカディスよ、ここからはお主に頼むとしよう」
カディスさんは頷くと、皆の顔を見ながら、囁くように言葉を紡いだ。
「敵はどこに潜んでおるか分からない。だから、全員が周囲に気を配りながら進んでくれ。そして何か異変があったならばすぐに声を上げて、皆に知らせるんだ」
俺達はカディスさんに無言で頷く。
と、そこで、ヴァイロンという男が、ボソリと妹の名を呟いた。
「リュシア……今行くぞ」
カディスさんはヴァイロンさんの肩にポンと手を乗せた。
「ヴァイロン……まずは、はやる気持ちを落ち着かせろ。今は慎重に坑道を調べていく事を考えるんだ。もしかすると、リュシアは近くにいるかもしれない。それにリュシアも優秀な魔法使いなのだから、そうそう簡単にやられはせん筈だ。だから今は妹を信じるんだ。いいな」
「はい、わかっております」
カディスさんはそこで視線を戻し、話を続けた。
「ここからは、私とネストールが先頭を行く。後方はドーンとレイスさんにお願いしたい」
「わかった引受けよう」
「よろしく頼むぜ、レイスさん」
レイスさんとドーンさんはそこで互いに握手した。
「他の者達は我々に挟まれる形で進んでもらうことになる為、危険は減るが、それでも十分注意して進んでくれ。では、行くぞ」
カディスさんの号令と共に、今言った隊列に俺達は並びを変える。
そして俺達は、魔物の蠢くラウム鉱採掘跡を前に進み始めたのであった。
話は変わるが、今の俺達は後ろから攻められても、前から攻められても、常に同じような隊形を維持できるようになっている。そう考えると、こういった通路をこの人数で進む場合は、これが一番良い隊列のようだ。
しかもカディスさん達のパーティと俺達のパーティは似ているので、その辺のバランスが凄く良いのである。
なので、俺はこの時、サナちゃん達に来てもらった事を凄く感謝していたのであった。
というわけで話を戻そう。
坑道内には時折、ゴォォという不気味な唸り声のようなモノが奥の方から響いていた。だが、何の音なのかはわからなかった。
魔物かも知れないし、もしかすると、リュシアという女性の悲鳴が坑道内の壁に反響して、そういう風に聞
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