Lv23 ラウム鉱採掘跡(i)
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り、何度もリジャールさんに頭を下げた。
「礼を言うのは後じゃ」
リジャールさんはそこで、ここのリーダーと思われる冒険者に視線を向けた。
「では、我々はこれより中に入る。じゃが、我等が坑道内に入る事によって魔物どもも騒ぐじゃろう。それが原因で、外に出てくる魔物もあるかもしれぬ。じゃから、外で待機する者達も、そのつもりで事に当たってほしい。そして村へ魔物を近づけぬように十分注意してくれ」
「はい、わかっております。ですが、中は相当危険だと思われますので、お気を付けてお進みください」
「うむ。では行くかの、各々方」
この言葉を合図に、俺達は魔物の蠢く闇の世界へと足を踏み入れたのであった。
[W]
薄暗い坑道内に足を踏み入れたところで、リジャールさんはレミーラを使って明かりを灯した。
その瞬間、坑道内の様相が露わになる。
俺はそこで、周囲を見回した。すると、壁や天井には、歪な模様のように見えるゴツゴツとした岩肌が広がっており、床にはトロッコが走っていたのか、2本のレールみたいな物が奥の暗闇に向かって真っ直ぐに伸びていた。モロに、坑道といった感じの様相である。
通路の幅は、縦が約3mに横が5m程あるので若干広めだ。が、外からの光が満足に届かないのもあってか、少し圧迫感のある通路であった。
しかし、それ以上に嫌なことがあった。それは、坑道内のカビ臭い空気に混じって、妙な腐敗臭が漂っている事であった。
この臭気に当てられて、俺のテンションはさっきから下がりっぱなしである。ハッキリ言って気分は最悪だ。
恐らくだが、これは腐敗した死体の放つ臭いなのだろう。断言はできないが、俺はそう考えていた。
他の者達に目を向けると、衣服の袖や掌で鼻を覆ったり、摘まんだりしていた。
まぁこうなるのも無理はない。それ程に嫌な臭いなのである。
だが、俺はそれよりも、この通路内を見ていて少し気になった事があったのだ。
それは何かと言うと、この通路の天井や壁や床には、青い粉状の物がその表面に付着していたからである。
気になった俺は、好奇心から、壁に人差し指をやって少し触れてみた。
そして俺は、指に付着した青い粉状のモノをマジマジと見たのである。
と、そこで、リジャールさんの小さな声が聞こえてきた。
「それはラウムを切り出した時に出た粉末じゃよ。ラウムは青い魔鉱石じゃからの」
小声で話しかけてきたのは、敵にばれないようにする為だろう。
まぁそれはさておき、俺も小声でやり取りすることにした。
「では、これらの壁は全てラウムなのですか?」
リジャールさんは頷く。
「うむ、これらは一応、全てラウム鉱じゃ。とはいっても、ここにあるのは残りカスみたいなもんじゃから、魔鉱石として価値など、とうに失って
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