Lv23 ラウム鉱採掘跡(i)
[7/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
いた。
「そういえば、ガナから少し離れた所に居を構えておると言っておったな。あ奴は……」
このリジャールさんの口振りだと、ガナを知っているようだ。それと、あ奴というのはヴァロムさんの事だろう。
まぁそれはともかく、続いてドーンさんがコメカミをポリポリかきながら、罰の悪そうな表情で謝ってきた。
「そうだったのか……すまないな、コータローさん。嫌な事を訊いちまって」
これは恐らく、拾われたという境遇に対しての反応だろう。
だが俺の境遇は、色々と複雑な事情があるので、そんな事は些細な問題なのだ。気にしてたら負けなのである。
「ああ、別に構いませんよ。あんまりというか、全くその手の事は気にしてないので。だから、ドーンさんも気にしないでください」
「そうか、ならいいが……。まぁそれはともかくだ。今日はよろしく頼むぜ、コータローさん」
そしてドーンさんは、俺の肩をバシバシと軽く叩いたのである。
少し痛かったが、この人なりの元気づけなのだろう。
と、その時であった。
前にいる誰かが、不意に言葉を発したのである。
「なんだ一体? 入口付近の様子がおかしいぞッ」
声を上げたのは、ネストールという名の男であった。
この人もドーンさんと同様、鉄の鎧と鉄兜を装備する戦士である。が、武器は槍を装備していた。
見たところ、金と銀の奇妙な装飾の施された槍なので、もしかすると鉄の槍ではなく、その上位武器であるホーリーランスとかいうやつなのかもしれない。
また、体型はドーンさんの様なムキムキではなく、カディスさんの様なスマートな感じであった。
ちなみに、他の2人とは違い、髭などは生やしてない。が、それでも鋭い目と引き締まった頬をしているので、中々強そうな顔つきの男であった。
まぁそれはさておき、俺達はネストールさんの声を聞き、全員が前方を凝視した。
すると坑道の入り口付近で、慌ただしい動きをする冒険者達の姿が目に飛び込んできたのである。
確かに何か様子が変であった。もしかすると魔物の襲撃があったのかもしれない。
と、次の瞬間、カディスさんの大きな声が、この森の中に響き渡ったのである。
【向こうで何かあったみたいだッ。急ぐぞッ!】――
[V]
進行の邪魔をする草木を掻き分けて進むこと約5分。俺達はようやく、木々の無い開けた場所に辿り着いた。
そこは頭上を覆う枝葉も無い為、澄みきった青い空から眩い光が降り注いでおり、辺り一面に生える草花が生き生きとした明るい世界であった。
平穏な時だったならば、薄暗い森の中から出てきた反動で、凄く爽やかな気分になれただろう。が、今は非常時である。とてもそんな気分にはなれなかった。
坑道の入口付近には、武器を構える冒険者達の物々しい姿があった。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ