Lv23 ラウム鉱採掘跡(i)
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から、今日はアンタの解毒呪文を頼りにしてるぜ」
「ええ、毒に侵された時は任せてください。良く寝たので魔力は充実してますからね。今日は一杯唱えられますよ」
俺は微笑みながら自信満々に答えておいた。
こういうのはオドオドすると向こうも不安に思うから、このぐらい言っておけば安心する筈だ。
「オウ、任せたぜ。しっかし、アレだなぁ、こんな所でアマツの民の者と会うとは思わなかったぜ。俺も旅をしてて、たまに会うくらいだからな」
う〜ん……これにはどう答えたらいいのだろう。
悩むところではあるが、とりあえず、アマツの民ではないので否定しとこう。
「えっとですね……勘違いされてるようなので言っておきますが、俺、アマツの民じゃないですよ。まぁその系統の血は入ってるかもしれませんがね」
するとここで、リジャールさんが話に入ってきた。
「なんじゃ、お主……アマツの民ではないのか?」
「エッ、そうなのか? てっきり、アマツの民かと思ってたぜ。じゃあ、どの辺の出なんだ? マルディラントか?」
また答えにくい事を訊いてきたな。さて、どうするか。
大きな嘘を吐くと後が面倒なので、とりあえず、目覚めた場所にでもしておこう。
一応、あの辺りの事は大体わかるから、突っ込まれても何とかなる。
「俺の出身地はベルナ峡谷なんですよ」
「はぁ? ベルナ峡谷だって……。あんな岩山だらけの辺境の地に、町や村なんてあるのか?」
ドーンさんは腕を組み、怪訝な表情になって首を傾げた。
この反応は想定の範囲内である。
ヴァロムさん曰く、ベルナ峡谷は、魔物と岩山だらけの人の寄り付かない土地という事で有名らしいからだ。
まぁそれはさておき、俺は頷くと続ける。
「ええ、一応、ベルナ峡谷にはガナという小さな集落があるんです。そして俺は、その辺りに住む、とある人に拾われたもんでして……つまり、まぁ、そういうわけです」
今言ったガナという集落の名前は嘘ではない。実際に存在する集落である。
とはいっても、ヴァロムさんの住処からは少し離れたところだが……。
ただ、このガナという集落は普通の集落とはちょっと違う特徴があるのだ。
それは何かと言うと、実はこのガナに住む人々は、ベルナ峡谷にある岩山の洞窟で生活しているのである。なので、建造物というのは何もないのだ。
その上、外部との接触もごく稀なので、このマール地方でも知っている者はかなり少ない集落なのである。
ちなみにだが、何故、俺がそんな事を知っているのかというと、何度かヴァロムさんにつれられて行った事があるからだ。
勿論、アーシャさんも一緒だったので、この集落の事は良く知っている筈である。
というわけで、話を戻そう。
俺の話を聞いたリジャールさんは、そこで顎に手をやり、ボソリと呟
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