Lv23 ラウム鉱採掘跡(i)
[5/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ヒッソリと口を開けているのかと思っていたので、少々意外でした」
「うむ。まぁそのお蔭もあって、魔物を食い止めるのには役に立っておるわい。やはり、戦闘となると、木々が邪魔するからの」
「確かにそうですね……」
リジャールさんの言うとおりである。
木々が密集していたならば、剣や槍といった長い得物を振るうには不利である為、そう簡単にはいかなかったに違いない。
だから、あそこが広場になっていたのは不幸中の幸いだったのだろう。
ふとそんな事を考えていると、入口周辺で待機する冒険者達の姿が俺の視界に入ってきた。人数にすると十数名といったところだろうか。
この位置からだと姿がハッキリ見えないので、どんな容姿をした者達かまではわからないが、最前線で待機している事を考えると、この村に来ている冒険者の中でも選りすぐりの手練れに違いない。
だがしかし、それを喜ぶわけにはいかなかった。これが意味するところは1つだからだ。それは危険区域という事であり、俺達ももうすぐ、そこに足を踏み入れるという事なのである。
その為、俺はいざという時にすぐ魔法を発動できるよう、意識を戦闘モードへと静かに変えたのであった。
周囲を警戒しつつ進んでいると、カディスさんの仲間の1人が俺に話しかけてきた。
「確か、コータローさん、だったかな」
「ええ、そうですが」
話しかけてきたのはドーンという名の男であった。歳は30代といったところだろうか。
やや浅黒い肌をしたプロレスラーのようなガタイのゴツいオッサンで、モミアゲから繋がった黒く長い髭を顎と口元に生やしていた。
顔立ちは彫りの深い中近東アジアの系統で、ターバンでも巻いていればモロといった感じだろう。
また、若干色褪せた感じのする年季の入った鉄の鎧と鉄兜を装備しており、背中には鋭い両刃の戦斧を担ぐという出で立ちであった。
背中の戦斧は両刃であることを考えると、ゲームでいうバトルアックスとかいうやつなのかもしれない。
というわけで、全体的な雰囲気を言えば、筋金入りの戦士といった感じの男だ。
映画ロード・オブ・ザ・リングにギムリという酒と戦闘が大好なドワーフが出てきたが、俺にはあの類のキャラのように見えた。とはいうものの、あんな酒樽みたいな体型ではないが……。
ただ、冒険者としてかなり場数を踏んでいるのは間違いないだろう。
なぜなら、色褪せた鎧の継ぎ目から見え隠れする鍛え上げられた筋肉を見れば、本人が言わずとも、身体がそうだと語っているからだ。
ちなみに、どうでもいい話ではあるが、自己紹介でドーンという名前を聞いた時、一瞬、江○2:50分の顔が思い浮かんだのは言うまでもない。
まぁそんな事はさておき、ドーンさんは俺の肩にポンと手を置き、話し始めた。
「敵は毒の霧を吐いてくる
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ