Lv23 ラウム鉱採掘跡(i)
[13/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
凄い悪臭が、こちらに容赦なく漂ってくるのである。
(やっぱ、リアルな腐った死体がいたならば、どうしてもこうなるよな……)
まぁそれはともかく、今は奴らを倒すことが先決だ。
「まず、俺とネストールで奴等を攻撃をする。ゾフィとカロリナは魔法で援護してほしい。レイスさんとドーンは後方に注意してくれ。他の者達は機を見て魔法攻撃を仕掛けてくれ」
カディスさんはそれだけ言うと、ネストールさんと共に攻撃を開始した。
剣を装備しているカディスさんは、一番近い位置にいる腐った死体を素早く袈裟に斬りつける。その瞬間、魔物の胸に大きな傷がパックリと開いた。
続いてネストールさんの振るう槍が、その隣にいる腐った死体の喉元を容赦なく貫通する。
と、その直後、ゾフィさんのベギラマと、カロリナさんのバギが魔物に襲いかかったのだ。
4体の腐った死体は、炎によって焼かれ、やや小さめの鋭い旋風に切り裂かれる。
そして4体の腐った死体は事切れたかのように、ドサリと地に伏したのである。
魔物は微動だにしなかった。どうやら、倒したみたいだ。
カディスさん達は流石に戦い慣れているらしく、素早い連携であった。が、しかし……俺は少し違和感を覚えていた。
それは勿論、あまりに呆気なかったからだ。
(腐った死体って、こんなに弱かっただろうか……)
俺は今の戦闘を見て、ふとそんな言葉が脳裏に過ぎったのである。
魔物が動かなくなったところで、リジャールさんは口を開いた。
「ほぉ、流石じゃな。やはり、マルディラントでも指折りの冒険者と言うだけあるわい」
だがカディスさんは、横たわる腐った死体を眺めながら、少し微妙な表情をしていた。
「こんな手応えだっただろうか……もう少し強かったような……まぁ気のせいかも知れんが」
やはり、カディスさんも俺と同じことを思っているようだ。
とはいっても、俺の場合はゲーム上での話なので、それを言うわけにはいかないが……。
だが、もしこれがゲームならば、今の攻撃で腐った死体は倒せてないに違いない。
今の攻撃で与えられたダメージを仮に数値化するならば、精々70〜80ポイント程度だと思うのである。
しかもそれは、カディスさんとネストールさんの攻撃した2体だけであって、他の2体に関しては魔法でのダメージだけなので、多分、50ポイント程度なのだ。
それに対し、腐った死体のHPは100前後あった事を考えると、倒すまでには至らないのである。
これをどう考えるかだが、ゲームと同じという確証はどこにもない。
しかし、この事を無視するわけにはいかないので、俺はとりあえず様子を見る事にしたのである。
カディスさんは暫し魔物を眺めると皆に告げた。
「では、この空洞から調べていこう。まずはリュシアを探すんだ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ