Lv23 ラウム鉱採掘跡(i)
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や、足を踏み入れる事などなかった筈じゃ。さっきから妙な事を訊いてくるが、それがどうかしたのか?」
俺は床を指さすと言った。
「この床にある足跡なんですけど、最近付けられたモノだと思うので、それが気になるんですよ。靴を履いたものや、裸足のもの、4つ足の動物の足跡……これらは一体、何の足跡なのだろうってね」
「確かに、お主の言うとおりじゃ……これはもしや……」
リジャールさんはそう言うと共に、少し険しい表情になった。
アーシャさんとサナちゃんも驚いていた。
「ほ、本当ですわ」
「という事は、他にも魔物がいるという事なんでしょうか?」
「さぁ、それはわからないけど、気にはなるよね」
「お主はどう思うのじゃ?」と、リジャールさん。
「この足跡も、村の方々や家畜のモノであれば気にする必要もなかったのですが、そうでないなら、1種類の魔物だけという固定観念は捨てた方がいいかもしれませんね」
「うむ……どうやら、そう考えた方が良さそうじゃな」
リジャールさんは他の者達にも今の事を告げた。
「皆、今の話を聞いて分かったじゃろうが、魔物は数種類いる可能性がある。そう考えて警戒に当たるのじゃ」
全員、無言で頷いた。
そして、そんなやり取りをしている内に、俺達はいつしか通路の先にある空洞へと辿り着こうとしていたのである。
空洞の入り口手前に来たところで、前方から奇妙な音が聞こえてきた。
ズザザザ、ズザザザと、何かを引きずるような音である。
だがその音が聞こえた瞬間、先頭にいるカディスさんやネストールさんは、突然、武器を構えたのだ。
そして一気に、物々しい空気へと様変わりしたのである。
と、そこで、カディスさんの声が聞こえてきた。
「この引きずる音は奴等の歩く音だ。この空洞に、死体の化け物がいる。全員、気を抜くなよ」
俺はそれを聞き、いよいよだと生唾を飲み込む。そして魔道士の杖を構えた。
他の皆も勿論、臨戦体勢に入っていた。
また、俺に密着していたアーシャさんも流石に空気を読んだのか、離れて祝福の杖を構えたのである。
俺達はソッと静かに空洞内へ足を踏み入れた。
と、その時であった!
【シャァァ】
奇声を上げながら、化け物が4体、入口付近に現われたのだ。
俺はその魔物を見た瞬間、吐き気のようなものが込み上げてきた。
なぜなら、目の前に現れたのは、ゾンビという形容詞が似合う、身体の腐敗が進んだ歩く死体だったからだ。
しかも、ゲームのようなアニメチックなビジュアルとは違い、バ○オハザードとかに出てきそうな、リアルでおどろおどろしい姿なのである。
眼球や舌が外に飛び出ており、剥がれ落ちかけている体の一部からは内蔵や骨も見えていた。
また腐敗している事もあってか、魔物達の物
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