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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv23 ラウム鉱採掘跡(i)
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こえているだけなのかもしれない。
 どことなく、気圧の違いによる耳鳴りに似たような感じがしないでもなかったが、とにかく、そんな音が聞こえてくるのである。
 そして、アーシャさんはその音が怖いのか、音が聞こえる度にビクッと身体を震わせるのだ。
 ちなみにだが、なぜ、俺がアーシャさんの震えが分かるのかというと、さっきからずっと、アーシャさんが俺の二の腕を掴んで身体を密着させているからである。
 遊園地にあるお化け屋敷とかなら、可愛いなで済むが、今のこの状況はとてもそんな呑気な事は言っていられない。下手をすると足かせにしかならないのだ。が、しかし……今のテンパったアーシャさんにそれを言うと、逆に面倒な事になりそうなので、あえて俺は言わないようにしているのであった。
 まぁそれはさておき、俺達は周囲を警戒しながら前に進んで行く。
 今のところ魔物は現れてはいないが、探索は始まったばかりだ。油断はできない。
 なので、俺はすぐに魔法を発動できるよう、常に魔力操作と周囲の変化に意識を向かわせていた。
 そうやって警戒しながら暫く進んで行くと、まず最初の十字路が俺の視界に入ってきた。
 確か、朝見せて貰った見取り図だと、この左右にある通路を進むと小さな空洞があった筈だ。
 そして十字路の所に来た俺達は、そこで一旦立ち止まり、どちらに向かうかリジャールさんの意見を聞くことにしたのである。
「リジャールさん、どちらに行きますか?」と、カディスさん。
「とりあえず、左側の空洞を調べてから右側に行こうかの」
「わかりました」
 カディスさんは返事をすると左の通路へと足を向かわせた。
 だがその時、少し気になるものが俺の目に飛び込んできたのである。
 それは何かと言うと、十字路の床に浮き上がって見える無数の足跡であった。
 さっきリジャールさんも言っていたが、ラウム鉱の粉末が床に降り積もっているので、くっきり足跡が見えるのである。
 で、どんな足跡かと言うと……人が裸足で歩いたような跡や、何かを引きずったような跡、そして大小様々な靴の跡に加え、犬のような肉球のある4つ足動物の足跡であった。
 しかも、それらの足跡には埃などは被っていない為、ここ最近付けられたモノの可能性があるのだ。
 俺は嫌な予感がしたので、リジャールさんに確認することにした。
「リジャールさん、この坑道に棲みついたのは死体の魔物といってましたが、他の魔物というのは見てないのですか?」
「いや、他の魔物というのは見てないの」
「そうですか……」
「それがどうかしたかの?」
「いえ、ただ少し気になったモノですからね。見てないのならいいです。それともう1つ。魔物が棲みつく前なんですが、村の方々は犬などを連れて坑道内へ足を踏み入れる事が頻繁にあったのですか?」
「……い
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