Lv21 カーンの鍵
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のならば、お主等に2冊とも進呈しようぞ」
アーシャさんはそれを聞き、目をキラキラと輝かせた。
そして、俺に振り向き、ニコニコと微笑んだのである。
「コータローさん、ここはリジャールさんのお力になって差し上げましょう。やはり、困っている人を見過ごすわけにはいきませんわ」
どうやら、物欲に負けたようだ。
アーシャさんは魔法関連の事と古代文明の事には目が無いので、これは予想通りの反応であった。
だが肝心な事を忘れてるようなので、俺はそれを指摘した。
「でも、アーシャさん。毒を持った魔物ですよ。危険だとは思わないんですか?」
「そ、それは……」
アーシャさんも依頼内容を思い出したのか、少し口ごもる。
しかし、そこですかさず、リジャールさんは合いの手を入れてきたのである。
「じゃが、毒を持っているとはいえ、お主がキアリーを使えるのなら、それほど大事にはならぬかもしれぬぞ。今、この村で冒険者達を統率しておるカディスという者の話じゃと、毒を持ってはいるが、それほど力を持った魔物ではないらしいからの」
でも、だからといって安請け合いする依頼ではない。
「しかしですね……」
だが俺がそう言いかけたところで、リジャールさんは深々と頭を下げたのである。
「どうか、この村を助けると思うて、手を貸してくれぬだろうか。坑道の中を調べるには、解毒できる者の力がどうしても必要なのじゃ。頼む、この通りじゃ」
「ちょっ、リジャールさん。何もそこまでしなくても」
ここまでされると、俺も断りにくい。
(引受けた方がいいのだろうか……いや、しかし……あまり道草をするわけにはいかない。それに、アーシャさんやサナちゃん達を危険に巻き込むわけにもいかないし……参ったな……)
と、そこで、アーシャさんの声が聞こえてきた。
「コータローさん、リジャールさんはオルドラン様の友人なのですから、引受けたらどうですか。それにレミーラの魔法書も手に入るのですよ」
まぁ確かに報酬は魅力的だが、危険や時間的なロスを考えると、簡単に返事するわけにはいかないのである。
「でもですね。俺達は先を急がないといけないですし……」
「坑道はそこまで深くはない。じゃから、それ程、時間はかからぬかもしれぬ。とりあえず、一緒に来るだけでも来てもらえぬじゃろうか。解毒の魔法を使える者が、ここにはいないのじゃ。頼む!」
リジャールさんはそう言って、頭を下げ続けた。
(手を貸したほうが良いのだろうか……はぁ、悩む……)
だが手を貸すにしろ、貸さないにしろ、判断を下す為の材料が少ないので、俺はまずそれを訊くことにした。
「リジャールさん顔を上げてください。とりあえず、今の現状をもっと詳しく教えてもらえますか? でないと、私も返事が出来ませんので」
そこでリジャール
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