Lv21 カーンの鍵
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、備蓄してある毒消し草の数も残り少なくなってきておるのじゃ。しかも不味い事に、毒消し草はここから一番近い町であるフィンドでは手に入らん。マルディラントにまで行かねばならぬのじゃ。じゃから、儂も困っておるのじゃよ」
「そうだったのですか。しかし、ですね……」
どうしたもんか……。
俺1人で考えるのもアレなので、とりあえず、アーシャさんの意見を訊く事にした。
「アーシャさん、どうしましょう?」
「今朝も言いましたが、私はコータローさんの判断に従いますわ」
「そ、そうっスか」
こう返されると俺も困ってしまうが、まぁ仕方ない。
と、そこで、何かを思い出したのか、リジャールさんはポンと手を打ったのである。
「ああ、そうじゃ。言い忘れておったが、勿論、タダでとは言わん。ちゃんと報酬も考えてあるぞ。もし、手を貸してくれるならば、レミーラの魔法書と、儂が作成した魔導器を幾つか進呈しよう。どうじゃ、引受けてくれぬか?」
「レミーラの魔法書に、魔導器……」
俺は今の話を聞き、ヴァロムさんが以前教えてくれた事を思い出した。
確かヴァロムさんは、こんな事を言っていたのだ。
レミーラは現在でも使える古代魔法の1つだが、通常の洗礼で修得する事が出来ないと。
それからこうも言っていたのである。
レミーラを修得するには、レミーラの魔法が封じられた魔法書が必要だとも。
まぁ要するに、このレミーラという照明魔法は、フォカールのような方法でしか覚えることが出来ない魔法のようである。
話は変わるが、レミーラの魔法書は仕組みが解明されているそうで、古代の魔法書の原本を複製した物が出回っているそうである。
というわけで、魔法書があれば修得できる古代魔法なのだが、複製はそれなりに技量がいるらしく、出回っているとは言っても、その数は少ないそうだ。なので、貴重な魔法という事には変わりないのである。
話を戻そう。
前者はともかく、リジャールさんの作った魔導器というのが気になるところであった。
だが、今この瞬間も、ヴァロムさんは牢獄にいるかもしれないのだ。その為、余計な事に首を突っ込んで時間をロスするのは、極力避けなければならないのである。
以上の事から、ここは断るべきだと考え、俺はその旨を告げることにした。
「あの、リジャールさん。やはり、お引き受けするわけには……」
と言いかけた時だった。
「レ、レミーラの魔法書を持ってらっしゃるのですか!?」
なんとアーシャさんが、興奮気味に言葉を発したのである。
「持っておるから、報酬にしようと言っておる。もし引き受けてくれるのなら、お主等2人にやっても良いぞ。丁度、2冊あるしの」
「ほ、本当ですか!?」
「うむ。儂にはもう必要の無い物じゃし、この依頼を引き受けてくれる
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