Lv21 カーンの鍵
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山いる冒険者みたいな方々は、それと関係が?」
リジャールさんはコクリと頷く。
「うむ、お主の推察通りじゃ。外の冒険者達は、その為に村が雇うておるのじゃよ。争いごとに慣れておらぬこの村の者達では、不測の事態に対応できぬからの」
「そうでしたか……」
理由はわかったが、村内にいる冒険者達の数を考えると、かなり厄介な魔物なのかもしれない。
だが少し引っ掛かる部分があったので、俺はそれを訊ねた。
「今、冒険者を雇ったと仰いましたが、マルディラントの太守であるソレス殿下や守護隊に陳情はされないのですか? こういった事は冒険者よりも、その地方を治める武官に頼んだ方が良いと思うのですが……。年貢も納めているのだと思いますし」
「陳情はもう既にやった。しかし、マルディラントの方でも魔物の数が増え始めている為、守護隊の人員を裂けないようなのだ。で、その代わりという事で、マルディラントの方から彼等を斡旋してもらったのじゃよ」
「そうだったのですか。……申し訳ありません。そうとは知らず、生意気な事を言ってしまい」
「いや、構わぬ」
そういえばヘネスの月に入った頃、ティレスさんと一度会ったが、その時、魔物の対応に追われて困っているような事を言っていた気がする。なので、今の話は事実だろう。
まぁそれはともかく、肝心なところを聞かねば……。
「それでは話を戻しますが、私達に頼みたい事というのは、一体何なのでしょうか?」
「それなんじゃが、実は、儂の護衛をお主達にお願いしたいのじゃよ」
「え? 護衛……ですか?」
なんか意外な言葉が出てきた。
俺はてっきり、魔物退治でも頼まれるかと思ったのである。
「うむ、護衛じゃ。儂は坑道の中で何が起きているのか、それを知りたいのじゃよ。しかも、坑道の中におる魔物は、厄介な事に毒を持っておる。じゃから、キアリーを使えるというお主達に護衛を頼みたいのじゃ」
「そういう事だったのですか」
思った通り、毒を持った魔物のようだが……さて、どうしたもんか。
俺はそこでアーシャさんに視線を向けた。
するとアーシャさんは、少し眉根を寄せ、微妙な表情をしていた。
まぁこうなるのも無理はないだろう。誰だって厄介事は御免だからだ。
おまけに俺達は先を急ぐ身でもあるので、少々心苦しいが、断ることにしたのである。
「あのぉ、大変申し上げにくいのですが、私達は荷物を受け取り次第、王都へと向かってほしいとヴァロムさんに言われております。ですから、その依頼をお受けするのは難しいですね。それと旅の仲間が宿屋にいますので、私の一存で決めるわけにもいかないのです」
俺の返事を聞いたリジャールさんは、残念そうに大きく溜め息を吐いた。
「フゥゥ……そうか……難しいか。しかし、今、この村にはキアリーの使い手がおらぬ上
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