Lv21 カーンの鍵
[4/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
。ヴァロムさんからも、そう言われておりますので」
「そう謙遜せぬでもよい。ヴァルの奴は、真に才のある者にしか手解きはせぬからの。ヴァルに見込まれたという事は、只者ではないという事じゃ」
「本当ですか? でも私は成り行き上、弟子になったみたいなものですからね」
そういえば以前、ソレス殿下もそんなような事を言っていたのを思い出した。
もしそうならば照れる話である。
「儂もヴァルとはそれなりに付き合いが長いのでな。あ奴の事はよう知っておるつもりじゃ。じゃから、お主達はかなり魔法の才があるのじゃろう……」
と言った直後、リジャールさんはそこで目を細め、少し鋭い表情になった。
俺はこの表情の変化に嫌な予感を覚えた。
そして、その予感は的中する事になるのだ。
「さて、そこでじゃ。そんなお主達を見込んで頼みがあるのじゃが……聞いてもらえぬじゃろうか?」
「頼み……ですか」
「うむ。長旅をしてきたお主達に、こんな事を頼むのは儂も気がひけるのじゃが、実は今、このガルテナには非常に厄介な事が起きておってな。儂も困ったことに、村長からそれの対応を迫られておるのじゃよ」
この言い方は、かなりキナ臭い感じがした。
ゲームだとこういう場合、殆どが魔物がらみのイベントだからだ。
その為、どうせ碌な事じゃないだろうと、俺は思ったのである。
だがとはいうものの、無視するわけにもいかないので、とりあえず、話だけは聞く事にした。
「……厄介な事と仰いましたが、一体何があったのですか?」
リジャールさんはそこで目を閉じると、静かに話し始めた。
「この村の奥にラウムを採掘していた時代の古い坑道があるのだが、実はそこで今、少し異変が起きているのじゃ」
ラウム……この名前は以前、ヴァロムさんの口から聞いた事があった。
確か、青い魔鉱石の事をラウムと言っていた気がする。
ちなみに魔鉱石とは、魔力を蓄えた石の事で、高位の武具や魔導器の製造に用いられている貴重な素材だ。
マルディラント守護隊が装備していた魔法の鎧等の武具は、この鉱石を使って作られているそうである。
種類も幾つかあるそうで、それらは色々と性質も違うそうだ。
また、同じ魔鉱石でも、その質はピンからキリだそうで、当然、市場で値付けられる相場も違うようである。
というわけで話を戻そう。
「坑道で起きた異変とは、一体何なのですか?」
「実はな……坑道に性質の悪い魔物が棲みついたみたいなのじゃよ」
「魔物ですか」
(やっぱりな。はぁ……やだなぁ、もぅ……さっき、キアリーを使えるかどうか訊いてきたから、多分、毒を持った魔物が棲みついているんだろう。はぁ……溜息しか出てこない)
内心ゲンナリとしつつも、俺は質問を続ける事にした。
「という事は、この村に沢
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ