Lv21 カーンの鍵
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あったグアルドラムーン大陸で栄えておったからじゃよ。もう滅んでしまったが、ラミナスには古代魔法王国の遺跡が数多く残っておるからの」
「そうですわ、コータローさん。知らなかったのですか?」
「は、初めて知りました」
どうやら俺は、また無知をさらけ出したようだ。
訊いておいてなんだが、俺は少し恥ずかしくなってきた。
するとそこで、リジャールさんは豪快に笑ったのである。
「カッカッカッ、しかし、まぁなんとも妙な話じゃな。賢者の衣を纏う者が、古代魔法王国の栄えておった場所を知らぬとはの。まぁよい、それはともかくじゃ。話を戻すが、ラミナスの王宮には古代魔法王国の遺物が沢山あったと云われておる。じゃから、その中に魔法の鍵の製造法を記した物があったとしても不思議ではないわけじゃ。なので儂は、ヴァルの奴はそういった遺物を独自に手に入れたのかもしれぬと思っただけじゃよ。それほど深い意味はないわい」
「そういう意味だったのですか。なるほど」
少し恥ずかしい思いをしたが、意外な話を聞けた。
宿屋に帰ったら、早速、サナちゃん達にその辺の事を少し聞いてみよう。
(さて、用事も済んだし、そろそろ帰るとするかな。サナちゃん達も待ってるだろうし……)
というわけで、俺はそろそろお暇させてもらう事にした。
「さて、それではリジャールさん、今日はお忙しいところ、どうもありがとうございました。面白い話も聞けたので、非常に勉強になりました。それと、鍵の方は確かに頂戴いたしましたので、私達はこれで失礼させて頂こうと思います」
「ん、ああ……もう帰るのか?」
「ええ。日もだいぶ暮れてきましたので、私達もそろそろ帰らせてもらおうと思います。それと、旅の仲間を宿屋に待たせておりますので」
「ふむ……」
するとリジャールさんは、顎に手を当てて妙に思案顔になったのである。
気になったので、とりあえず、訊いてみた。
「あの、何か気になる事でもありましたか?」
「そういえばお主達……ヴァルの弟子だと言ったな」
「ええ、そうですが」
「なら1つ訊くが、お主達はキアリーの呪文は使えるのか?」
何でこんな事を訊くのか分からなかったが、俺は頷いた。
「はい、一応、私は使えますが……」
「おお! お主、使えるのか」
「ええ、まぁ……」
俺の返事を聞いたリジャールさんは、そこで笑みを浮かべ、ホッとしたように柔らかい表情になった。
反対に俺は、何が何だかわからないので、思わず首を傾げてしまったのである。
「今、キアリーの呪文の事を訊かれましたが、それがどうかしたのですか?」
「ヴァルの弟子という事は、お主達、その辺の魔法使いではあるまい。儂の見立てでは、かなりの使い手と見た」
俺は頭を振る。
「いえ、私はまだまだ未熟者にございます
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