Lv21 カーンの鍵
[2/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
う事になっておるの。じゃが、いずれにしろ、このイシュマリアに魔法の鍵は無いという事になっておる。じゃから、このカーンの鍵の事はあまり口外せぬ方が良いぞ。ヴァルも儂にそれを念押ししてきたからの」
「ええ、わかっております。そこは十分注意するつもりです」
とりあえず、余計な心配をしなくていいように、後でフォカールで仕舞っておくとしよう。それが一番安全だ。
「しかし、ヴァルの奴、一体どこでこの製法を知ったのじゃろうな。お主は何か聞いておらぬか?」
「それなんですけど、なにも知らないんですよ。先程も言いましたが、ある物を受け取ってほしいとだけしか聞いて無いものですから」
するとリジャールさんは、顎に手を当てて渋い表情になり、ボソリと独り言のように呟いたのである。
「そうか……ならば、カーペディオンの遺物でも手に入れたのかもしれぬな。もしかすると、ラミナスから逃れてきた者達から手に入れたのかもしれん」
カーペディオン……これは聞き覚えのある名前であった。
(賢者のローブを見て、サナちゃんが言っていた古代国家の名前と同じだな……)
というわけで、俺は訊いてみる事にした。
「あのぉ、今、カーペディオンって仰いましたが、それは古代魔法王国・カーペディオンの事ですか?」
「ああ、そうじゃ。魔法の鍵は古代魔法王国・カーぺディオンで編み出された製法じゃと云われておるからの……ン?」
と、そこで言葉を切ると、リジャールさんは俺の胸元に視線を向けた。
「お主の胸元に描かれている紋章……それはもしや、サレオンの印か?」
「え? ええ、確か、そういう名前らしいですね」
「お主、それをどこで手に入れたのじゃ?」
カーペディオンの名前が出てきたので、この紋章について訊いてくるだろうとは思った。
さて、どうしよう……。かなり知識がありそうだから、あまり下手な事は言えない。
とりあえず、今までの話の流れから、ヴァロムさんに貰ったという事にしておいた方が良さそうだ。
「実はこのローブ、ヴァロムさんから貰ったんです。なので、どういう物なのかは、私もよく分からないのですよ。名前は賢者のローブというらしいのですが……」
「ヴァルから貰ったじゃと……。という事は、やはり、ヴァルの奴はカーペディオンにまつわる何かを手に入れたのじゃな。いや、きっと、そうに違いない」
多分、違うと思うが、あまり余計な事は言わないでおこう。話がややこしくなる。
「ところでリジャールさん、今、ラミナスから逃れてきた者達から手に入れたのかもしれないと仰いましたが、それはどういう意味ですか?」
だが俺の言葉を聞くなり、リジャールさんはキョトンとしながら首を傾げたのである。
「は? 何を言うかと思えば……そんな事決まっておろう。古代魔法王国・カーペディオンは、ラミナスの
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ