Lv20 ガルテナ
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俺が部屋から出た直後、アーシャさんも部屋から出てきた。
「コータローさん、待ってください。私も行きますわ」
「まぁそう言うだろうと思ってましたよ。アーシャさんは好奇心旺盛な人ですからね」
俺も何となく予想はしてたのである。
付き合いも半年以上になるので、その辺の行動は読めるのだ。
「それだけじゃありませんわ。貴方には少し聞きたい事もあるのです。【お師匠様】から、何か頼まれているのでしょう?」
ヴァロムさんの名前は伏せたので、一応、その辺の空気は読んでくれたようだ。が、俺はどうしようかと考えた。
なぜなら、ヴァロムさんからは他言無用みたいに言われているからだ。
とは言うものの、アーシャさんはヴァロムさんの弟子である上、ラーのオッサンの事も知っているので、それほど秘密にする必要はないように思えたのである。
(まぁいいか……他言しないよう釘を刺しておきさえすれば大丈夫だろう……それに、ここまで来た以上、簡単に引き下がるとは思えないし……)
というわけで、俺は話すことにした。
「ではここで話すのもなんですので、外で歩きながら話をしましょうか。でも他言は無用ですよ」
「ええ、わかっていますわ」
まぁそんなわけで、ヴァロムさんのお使いにはアーシャさんと2人で向かう事になったのである。
宿屋を出た俺達は、手前にある十字路を右に曲がり、真っ直ぐ進んで行く。
曲った先は、畑や家屋が建ち並ぶ長閑な田舎の風景であったが、今が夕刻という事もあってか、少し寂しい感じがする所でもあった。
日の高い時間帯ならば、もう少し違った印象を受けたに違いない。
俺はそんな事を考えながら、前へと進んで行く。
だが進むにつれ、俺はこの村に違和感を覚えたのである。
それは何かというと、村の中には、やけに物々しい格好をした冒険者達が、何組も闊歩していたからだ。
重装備をした者や魔法使いの様な者、それに加え軽装で武装をした者等、それは様々であった。しかも、至る所でそんな者達を見かけるのである。
(この物々しい格好をした冒険者の数は、なんなんだ一体……この村で何かあったのか……)
来る途中に会った冒険者達は、魔物が増えてきたので村の警護をしていると言っていた。
だが、俺達が道中で遭遇した魔物の強さを考えると、これは少し過剰な気がしたのだ。
と、そこで、アーシャさんの声が聞こえてきた。
「コータローさん……何かあったのでしょうか。この冒険者の数は、少し多い気がするのですが……」
「アーシャさんもそう思いましたか。実は俺もです。……何か、嫌な予感がしますね。早いとこ用事を済ませまて、明日の朝には、この村を後にした方が良いかもしれませんね」
「そうですわね」
そして俺達は、目的の家へと急いだのである。
それから
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