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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv20 ガルテナ
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うやら察してくれたようだ。
「……あの、コータローさん。私達もその人の所に行った方がいいですか?」
「いや、別にいいよ。ただのお使いだから。サナちゃん達はゆっくり休んでてよ。道中疲れたと思うからね」
「そうですか……。でも私の力が必要でしたら、遠慮なく言ってくださいね。私……コータローさん達に迷惑をかけてばかりなので、もし、お力になれるのであれば、喜んでお貸ししますから。それに……いや、なんでもないです……」
 サナちゃんは何か言いたげな感じであったが、俺は頭を振った。
「そんなに気を使わなくていいよ、サナちゃん。俺達は目的が違えど旅の仲間なんだからね」
「そうですわ。私も気にしてませんから」と、アーシャさん。
「コータローさんとアーシャさんがそう仰るのなら……。でも、何かありましたら、遠慮せずに言ってくださいね」
「うん、その時はお願いするよ」
 俺はそう言って、サナちゃんに微笑んだ。
 サナちゃんも俺に微笑み返す。
 と、そこで、扉をノックする音が聞こえてきたのである。

 ――コン、コン――

 俺は扉に向かい返事をした。
「はい、何でしょうか?」
「レイスとシェーラだが、入ってもいいだろうか」
「鍵はかかっておりませんので、どうぞ入ってください」
「では失礼する」
 扉が開き、レイスさんとシェーラさんが入ってきた。
 そして、2人は空いている椅子やベッドに腰掛け、身体を休めたのである。
 少し間をおいて、レイスさんが俺に訊いてきた。
「何事もなく無事辿りつけたので、一安心といったところだが……コータローさんはこの村に何の用があるのだ? ただ経由して王都に行くわけではないのだろう?」
「ああ、それなんですが、俺はこれから、ある人に会いに行かなければならないんです」
「人に会う為だったのか、なるほど」
「ある人……って誰なの?」と、シェーラさん。
「リジャールさんという方なんですが、俺も詳しくは知らないんですよ。お使いを頼まれただけなのでね」
「そうであったか。なら、日も暮れはじめているので、早く行った方が良いかもしれないな」
 レイスさんはそう言って、窓の方を見た。
「ええ、そのつもりです……さて」
 俺はそこで椅子から立ち上がった。
「では少しの間、待っていてください。多分、それほど時間はかからないと思いますんで」
 4人は頷く。
「了解した」
「気を付けてね、コータローさん」
「外は薄暗いですから、気を付けて行って来てください」
 サナちゃんはそう言って両掌を組み、祈るような仕草をした。
 この子なりに気を使っているのだろう。健気な良い子だ。
 まぁそれはさておき、俺は最後に「では行ってきます」とだけ告げ、この部屋を後にしたのであった。


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